徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2024年(令和6年)04月01日 月曜日 徳洲新聞 NO.1434 2面

病気のはなし147
ヒト-ヒト感染確認
重症熱性血小板減少症候群

国立感染症研究所は3月19日、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)のヒト-ヒト感染を国内で初めて確認したことを発表した。同疾患は主にマダニ咬傷により感染するが、同疾患に感染している動物の体液などからも感染するほか、海外ではヒトからヒトへの感染も複数、確認されていた。

SFTSの病原体はウイルスで、嘔吐や下痢など消化管症状、発熱、頭痛、倦怠感、意識障害、出血症状など起こし、重症例は多臓器不全で死に至ることもある。致死率は約27%と高いが、特効薬は存在せず、対症療法が中心となる。

日本初のヒト-ヒト感染例は、SFTS患者さんを診療していた医師の感染。診療時はマスク着用のみでゴーグル、手袋はしていなかったものの、針刺し事故など直接、体液に触るような出来事がないなかでの感染だった。このため直接、体液に触れることがなくても、わずかな飛沫の飛散などで感染し得ることから、当該疾患が疑われる患者さんと接触する際は、医療者以外の家族や友人、知人であっても、ゴーグルや手袋の装着といった感染対策が必要と言える。

マダニは野山の植物や野生動物に付着しているほか、外に出るペットにも付く可能性があり、暖かくなり野外活動が増えるシーズンを迎えるだけに、肌の露出を避ける、外にいる、もしくはいた動物には安易に触らない、野外活動後に家に入る前に衣服をしっかり払うといった対策も大切だ。

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