徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2024年(令和6年)04月01日 月曜日 徳洲新聞 NO.1434 1面

『手術数でわかるいい病院2024』
徳洲会病院が多数ランクイン
千葉西病院が14年連続心カテ治療数全国1位

手術数や治療数による病院ランキングを掲載する『手術数でわかるいい病院2024』(朝日新聞出版、1,320円)に、今年も多くの徳洲会病院がランクインした。同書は全国4,000超の医療機関に調査用紙を配布し、22年の年間実績をもとに疾患・治療法別に全国ランキングと地方別ランキングを紹介。またランキングとは別に巻末にはDPC(診断群分類包括評価)対象病院別の手術数や治療数も記載し、データの信頼性を担保している。今回も心臓やがんの手術、内視鏡治療や放射線治療など多数の分野で徳洲会病院が収載。心カテーテル治療で首位を走り続ける千葉西総合病院は2位を大きく引き離し、14年連続で全国トップとなった。23年も高水準で推移したことから15年連続で全国1位が確実視されている。

朝日新聞出版刊、1,320円

同誌が手術数・治療数を“いい病院”選びの指標としているのは「一定数の手術を行っていることが、医師の技術力や経験値を裏付け、スタッフの習熟度につながる」ためであり、「手術を多く実施していれば、それだけ難しい症例やトラブル対応も経験していると考えられる」からだ。

同誌は、がん、心臓、脳、骨・関節、眼、その他に関する疾患を対象に、4,000超の医療機関に約2万5,000枚のアンケート用紙を配布し、調査を行った。全国ランキングはトップ40、地方別ランキングはトップ5からトップ30までを掲載している。

全国1位を走り続ける千葉西病院のカテーテルスタジオ

心臓のカテゴリーのうち「心カテーテル治療」では、千葉西病院が14年連続で全国1位に輝いた。治療数は前年の3,264件を上回る3,351件。2位との差は1,000件以上。このうち、緊急度の高い急性心筋梗塞などに対する緊急治療の件数も730件で全国1位だ。

特筆すべきは、同院は20年以降のコロナ禍にあっても毎年、前年を超える実績を上げ続けてきたことだ。「コロナ(感染症)もコロナリー(冠動脈疾患)も一番を目指す」という三角和雄院長の方針の下、同院は通常診療と感染症対応の両立に尽力。20年5月には、ECMO(体外式膜型人工肺)を備えICU(集中治療室)機能などがあり、人工透析を行うことも可能なCIWS(独立型伝染性感染症病棟)の運用を開始。地域医療を担う基幹病院としての存在意義を発揮するため、コロナ患者さんの受け入れを積極的に行うとともに、心疾患に対するカテ治療をはじめ救急医療を含む通常診療の維持に腐心した。

同院のほかにも、心カテーテル治療に関して徳洲会グループでは、全国8位に湘南鎌倉総合病院(神奈川県)、19位に八尾徳洲会総合病院(大阪府)、21位に宇治徳洲会病院(京都府)、26位に野崎徳洲会病院(大阪府)、31位に札幌東徳洲会病院が入った。八尾病院は近畿地方では1位。地方別では岸和田徳洲会病院(大阪府)、福岡徳洲会病院もランクインした。

冠動脈バイパス術や心臓弁膜症手術、腹部大動脈瘤・大動脈解離に対する手術など「心臓手術」でも、千葉西病院は全国5位にランクインした。同院は手術支援ロボット「ダヴィンチ」を活用したMICS(低侵襲心臓手術)を積極的に実施しており、全国有数の実績を誇る。MICSの特徴は低侵襲であり、術後の回復が早いのがメリットだ。ダヴィンチは鮮明な拡大視野が得られ、自由自在に動く多関節構造の鉗子や手振れ補正の機能などがあり、より正確で安全な手術をサポートする医療機器だ。

患者さんに最善の治療を提供するため、同院は心臓疾患に関しては心臓血管外科と循環器内科がハートチームとして合同でカンファレンスを実施。TAVI(カテーテル的大動脈弁置換術)の適応がある症例や、カテーテル治療とバイパス手術を組み合わせたハイブリッド冠動脈治療を行う症例などを対象に、両科で治療戦略などを討議する。

ほかにも徳洲会グループからは19位に名古屋徳洲会総合病院、33位に岸和田病院が入った。地方別では、湘南鎌倉病院、宇治病院、八尾病院、札幌東病院もランクイン。

「不整脈治療」では、湘南鎌倉病院が808件で全国4位。地方別では千葉西病院、岸和田病院も登場。不整脈治療は、不整脈の発生源となる心臓内の部位を、高周波などにより焼灼することで根治を目指す心筋焼灼術を行う。

「ペースメーカー治療」でも湘南鎌倉病院は全国14位に入った。地方別では札幌東病院、宇治病院、岸和田病院がランクインしている。

がん治療でも多数収載

がん治療の分野でも多くの徳洲会病院がランキングに名を連ねた。

「胃がん内視鏡治療」では岸和田病院が全国22位に入った。ESD(内視鏡的粘膜下層剝離術)の治療数に基づくランキングで同院は174件。ESDは、がん細胞の浸潤が粘膜下層にとどまる早期の消化器がんを、電気メスで内視鏡的に切除する手技だ。

同院は「大腸がん内視鏡治療」でも195件で10位にランクイン。これは地方別ではトップの成績だ。「食道がん内視鏡治療」でも同院は全国36位に入った。

「肺がん手術」では、和泉市立総合医療センター(大阪府)が136件と、地方別で15位。同センターは「肺がんロボット手術」でも全国40位の実績で、「前立腺がん治療(手術+放射線)」でも地方別でランクインした。

「子宮・卵巣がん手術」では、湘南鎌倉病院と和泉医療センターが地方別でトップ30に名を連ねた。

「肝がんアブレーション治療」では、八尾病院と和泉医療センターが地方別でランクイン。これはラジオ波やマイクロ波でがん細胞を焼灼する治療法だ。

がん治療のうち、がん薬物療法とがん放射線治療に関しては一定の基準を満たした施設を都道府県別に掲載。「がん薬物療法」では湘南鎌倉病院、湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)、和泉医療センターが収載された。「がん放射線治療」には南部徳洲会病院(沖縄県)、湘南鎌倉病院、和泉医療センター、宇治病院が登場。

また放射線治療に関しては「IMRT(強度変調放射線治療)実施実患者数」が多い病院の全国トップ20を紹介しており、湘南鎌倉病院が496件で5位。IMRTは、がんの形状に合わせた放射線照射を行うことで周囲の正常組織への影響をできる限り減らし、副作用を抑える技術を指す。

さらに、小さながんに集中して高線量の放射線を照射する「SBRT(体幹部定位放射線治療)実施実患者数」が多い病院も全国トップ20を掲載、南部徳洲会病院が252件で5位に入った。

骨・関節の病気のカテゴリーのうち、「人工関節置換術・股関節」で湘南鎌倉人工関節センター(神奈川県)が656件で全国5位。

このほか、「網膜硝子体手術・緑内障手術」、「子宮筋腫・子宮内膜症」、「腹膜透析・血液透析」に関しても、一定の基準を満たした医療機関が掲載されており、多数の徳洲会病院が収載(表)。

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