徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)03月25日 月曜日 徳洲新聞 NO.1433 3面
第29回日本災害医学会総会・学術集会が京都市で開かれた。テーマは「叡智の結集 - すべては被災者のために - 」。NPO 法人TMAT(徳洲会医療救援隊)を含め、徳洲会グループから11演題の発表があった。パネルディスカッションを中心に紹介する。
多職種による病院防災について発表する鈴木センター長
福岡徳洲会病院の鈴木裕之・救急センター長は「多職種で構築する病院防災システム」と題し発表した。鈴木センター長は、各部署での防災訓練の実施を挙げ、DMAT(国の災害派遣医療チーム)隊員資格をもつ職員が各部署に働きかけ、各部署が自立して訓練を実施するまでの流れを示唆。訓練時のリーダーを医師に務めてもらうことで医師の参加が増えたり、システム整備など訓練が行いやすい環境を整えたりしている点をアピールし、「防災訓練の準備を自発的に行うように促せば、病院防災での多職種連携が深まっていきます」と締めくくった。
合田医師(左から2人目)のセッションではトルコの保健省関係者が来日し出席
TMATの合田祥悟医師(札幌東徳洲会病院救急集中治療センター医長)は「NPO法人TMATによるトルコ・シリア地震での現地活動」がテーマ。昨年2月に発生したトルコ・シリア地震で、TMATは発災直後の2月8日から3月1日までトルコのバーチェなどに総勢22人の隊員を派遣、延べ550人の患者さんを診療。合田医師は比較的小規模で活動する組織として、UMKE(トルコ国立医療レスキューチーム)との協力体制の構築、シフトを作成し隊員の体調管理などを成功例に挙げ、民間飛行機での移動による物資の輸送などを課題に指摘した。
パネルディスカッション以外の発表は次のとおり。【口演】▼村田宇謙・湘南鎌倉総合病院(神奈川県)外科部長「NPO法人TMATによる国際海外医療の変革について」▼平山傑・札幌徳洲会病院救急科部長「多数傷病者管理の革命! 音声入力可能で患者一覧表を共有できるアプリの開発」▼古田宏・岸和田徳洲会病院(大阪府)リハビリテーション科副室長(理学療法士)「2次医療圏におけるDHCoS の実施意義と方法について」▼野口幸洋TMAT事務局長(一般社団法人徳洲会医療安全・質管理部課長)「2023年トルコ・シリア大地震医療支援活動から見えた課題」、「ウクライナ危機に対するモルドバ共和国での活動事例」【ポスター】▼阪木志帆TMAT事務局員(一般社団法人徳洲会医療安全・質管理部副主任)「病院防災研修の効果」▼坂口結斗・中部徳洲会病院(沖縄県)薬剤部副主任「トルコ地震における医療活動報告-TMAT薬剤師としての立場から-」▼柳川拓哉・四街道徳洲会病院(千葉県)薬剤部薬剤師(TMAT)「災害医療における定温運搬装置を用いた冷所保存医薬品の温度管理」