徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)03月18日 月曜日 徳洲新聞 NO.1432 4面
田浦稔基 生駒市立病院(奈良県)薬局長
大規模災害が発生すると、避難時に自宅からお薬を持ち出せなかったり、お薬の供給不足などで、いつも通りに服用できなかったりする状況が起こり得ます。健康被害を最小限にするため、お薬の“災害対策”はとても大切です。
いつものお薬を急に服用できなくなると、種類によっては反動で服用前よりも症状が悪化することがあります(リバウンド現象)。たとえば降圧薬を急に止めると、血圧が急激に上昇することもあり危険です。発災後すぐの「超急性期」は、お薬の入手が難しいことがあるため、少なくとも3日分の予備は必要です。外出先での被災も考慮し、ふだんから、かばんに入れておくとよいでしょう。命にかかわる薬の場合は、7日分の予備を持っておくと、より安心です。避難時にお薬を持ち出せなかった場合には、お薬手帳が大いに役立ちます。救護所で適切に処方してもらうための有用な情報となります。外出時は、いつもお薬手帳を携帯しましょう。携帯電話で写真に撮って保存したり、コピーを財布や非常持ち出し袋に入れたりしておくのもよいでしょう(最新の状態に保つ)。また、マイナンバーカードの健康保険証利用を行っている方は、オンライン資格確認により、医療機関や保険薬局であれば、薬の処方歴の確認が可能です。手元に手がかりがない時に役に立ちます。