徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)03月18日 月曜日 徳洲新聞 NO.1432 3面
徳洲会不整脈治療部会は昨年11月と今年2月にキックオフミーティングを実施、7月の第1回部会開催に向け動き出している。同部会は名古屋徳洲会総合病院の加藤千雄院長が部会長、グループ内での不整脈治療の啓発、若手医師の育成、学会活動への積極参加などが目的。
「不整脈治療の機会を見逃し、患者さんの不利益につながらないように」と加藤院長
不整脈の根治を目指すカテーテルアブレーションは、心臓の中に電極カテーテルを運び、異常部位を高周波電流で焼灼し根治を目指す治療法だ。当初は一部の不整脈にしか適用されなかったが、1998年に心房細動に対する有効性が示され、対象症例が増加。現在、国内では年間10万例を超える症例が治療されている。
加藤院長は「心房細動が脳梗塞を引き起こし、突然死や重度の後遺症につながるケースがあります。しかし、心房細動には自覚症状がないので、見過ごされることが多いのも現状です。徳洲会病院では循環器の症例を診る機会が多いので、そのなかに隠れる不整脈に気付き、アブレーションで早期治療することが重要。また、費用対効果も優れており、『伸びしろ』が大きい医療技術のひとつだと考えます」と強調する。
こうした背景から、グループ内での不整脈治療の啓発、不整脈治療に興味をもちながら学ぶ機会に恵まれない若手医師のサポートのために、徳洲会不整脈治療部会を設立。同部会は7月に行われる第70回日本不整脈心電学会学術大会の会期に合わせて、第1回部会を開催する計画だ。
加藤院長は「昨年、アブレーションを年間100例以上実施したグループ病院は8施設のみ。継続して、ある程度の症例を経験しないと、スキルアップにつながりません。今後はグループのスケールメリットを生かし、応援・指導に行く、また見学に来るためのシステムを整備していきたい」と展望。さらに「不整脈治療の機会を見逃し、患者さんの不利益につながらないように、グループを挙げて取り組んでいこうと思います」と意欲を見せる。