徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)03月18日 月曜日 徳洲新聞 NO.1432 2面
徳洲会薬剤部会は、四街道徳洲会病院(千葉県)で第1回薬剤師災害医療研究会実地研修会を開催した。全国から28人の薬剤師が参加し、グループディスカッションや仮想トリアージ(緊急度・重症度選別)訓練などを通じて、災害時の薬剤師マインドを培った。
災害時に備えて仮想トリアージ訓練を実施 実地研修会には全国から薬剤師28人が参集
同研究会の会長を務める生駒市立病院(奈良県)の田浦稔基薬局長が挨拶した後、グループディスカッションを行い、災害医療で求められる薬剤師の役割について協議した。リアルな話し合いができるように、各グループは必ず災害医療の経験者と未経験者を組み合わせて編成。その結果、グループ発表では「お薬手帳やカルテが確認できないなかで患者さんから薬の情報を聞き取る」、「避難所の清掃など幅広く活動する」といった意見が見られ、平時とは異なる役割が求められることを共有。
さらに、令和6年能登半島地震でNPO法人TMAT(徳洲会医療救援隊)、DMAT(国の災害医療チーム)、JMAT(日本医師会の災害医療チーム)、日本病院薬剤師会の各組織で被災地で支援活動を行った会員が発表。招集のタイミングや活動拠点、持参する薬剤の有無など、組織ごとの違いを学んだ。
そのうえで、仮想トリアージ訓練を実施。救護者役は傷病者役1人に付き1分の制限時間内に、負傷の程度に応じて赤色(緊急)、黄色(準緊急)、緑色(非緊急)、黒(死亡)色のタグ(札)を付け、行ったトリアージの評価も実施した。診療所テントの設営や衛星電話の使用方法なども確認した。
総評で瀬戸内徳洲会病院(鹿児島県)の宮坂善之薬局長は「災害医療で薬剤師という枠にとどまらず幅広いかかわりが求められることを、多くの薬剤師に広めてください」と呼びかけた。参加した武蔵野徳洲会病院(東京都)の堤寛修薬剤師は「トリアージの難しさを実感しました。的確に判断できるよう学んでいきたいです」と期していた。