徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)03月11日 月曜日 徳洲新聞 NO.1431 1面
「知識、技術、さらに人間性を兼ね備えた医師を育てたい」と中嶋部長
野崎徳洲会病院(大阪府)は日本乳癌学会の認定施設となった。乳腺疾患の症例数が一定以上あり、学会認定の専門医が常勤していることなど諸条件をクリアし、十分な指導体制がある教育施設として認められた。
同院の乳腺外科は2021年4月に専門医一人体制で開設。まずは同学会の関連施設になり、症例を重ねてから認定施設になるのが一般的だが、同院は同科開設から約2年9カ月の早さで認定施設となった。中嶋啓雄・乳腺外科部長は「多くの患者さんに来ていただいたおかげです」と強調。同科で行う乳がん治療は、難易度が高く熟練を必要とする内視鏡補助下乳房温存手術(VA-BCS)を積極導入し、整容性の長期的な維持を追求している。これが口コミで広がり、集患につながった。
また、同院は大阪大学医学部附属病院乳腺・内分泌外科と名古屋大学医学部附属病院乳腺・内分泌外科の連携施設でもあり、今後は乳腺専門医を目指す若手医師の育成に注力していく。
中嶋部長は「患者さんの訴えをしっかりと聞き、どんな状況にも対応できるための知識、技術、さらに人間性を兼ね備えた医師を育てていきたい」と力を込める。
そのために、まずはマンモグラフィ(乳房Ⅹ線装置)や超音波画像を正確に読み取り、病理診断も自身でできる診断能力を磨き、さらに手術はVA-BCSにも対応できる技術を身に付けられるよう指導していく考えだ。
同時に中嶋部長は「私自身、若手の時に『医師たるもの、手術や臨床ができるのは当然。経験した症例や、そこから疑問に感じたことを論文としてまとめ上げてこそ一人前』と教えられて育ちました。論文を書き上げることで、自身を振り返り、知識として身に付くので、若手時代から積極的に論文に取り組むように指導したい」と意欲を見せる。
さらに「徳洲会というと救急病院のイメージが強く、その役割を十分に果たしていますが、今後は『がん治療と言えば徳洲会』と言われ、地域に一層信頼される病院にしていきたいです」と腕を撫す。