徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2024年(令和6年)02月26日 月曜日 徳洲新聞 NO.1429 4面

教えてドクター
複数の手法で対応を

Q.「大腸がん治療中ですが、痛みで眠れません」(64歳・男性)

服部政治 中部徳洲会病院(沖縄県)疼痛治療科統括部長 日本麻酔科学会専門医、日本ペインクリニック学会専門医、日本医師会認定産業医

A.お答えします。

厚生労働省の委託調査によると、約40%のがん患者さんが最期まで痛みを訴えられていたとの報告があり(2022年)、がん性疼痛の緩和はわが国の喫緊の課題です。これまで日本では麻薬や飲み薬などによる痛みの緩和を重視してきましたが、それだけでは痛みを取りきれないうえ、薬物が及ぼす眠気により食事や運動が十分にできず、治療に耐えられないほど衰弱することもあります。このため最近になって、かつて日本で実施されてきた神経ブロックや、脊髄に麻薬や局所麻酔薬を直接注入する脊髄鎮痛法が再評価、一般的な薬物療法との併用が推奨されるようになりました。複数の手法で行う緩和ケアはWHO(世界保健機関)も推奨していますが、日本では長く一般的な薬物療法が重視されてきたため、そうした経験をもつ医師が少ないことが課題。実施病院は少ないですがウェブサイトなどで確認し、相談してみてください。

徳洲会では中部徳洲会病院(沖縄県)をはじめ東京西徳洲会病院、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)、吹田徳洲会病院(大阪府)、宇和島徳洲会病院(愛媛県)、沖永良部徳洲会病院(鹿児島県)、与論徳洲会病院(同)などで実施しています。

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