徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)02月26日 月曜日 徳洲新聞 NO.1429 3面
一包化錠剤仕分け装置。左手前のトレイに薬品を入れると右側の容器に自動で仕分けする 手術室があるフロアの一角で業務を行う松本貴行・薬剤師(左)と相江いずみ薬剤師
福岡徳洲会病院薬剤部は2022年から医薬品のさらなる厳格管理に着手、成果が少しずつ表れている。具体的には機器の導入で、ひとつが「一包化錠剤仕分け装置」。同装置は、返却された未使用の一包化薬を安全に再利用するためのもの。一包化されていた錠剤を取り出して専用トレイに入れると、自動で同じタイプの錠剤ごとに仕分ける。
以前まで同院では、すべて薬剤師による手作業だったため、一部を除き廃棄。仕分けや戻す場所を間違え、誤投与につながることを避けるためだ。同装置の導入後、一包化薬はすべて回収し再利用。医薬品を有効活用し、コスト削減にもつながっている。
もうひとつが「冷所医薬品在庫管理システム」。冷所(1~15℃)保存が必要な医薬品の品質や在庫、入出庫状況などを専用の保冷庫で常時、遠隔監視するシステムで、これにより今までできなかった医薬品卸への交換・返品が可能となり、期限切れによる冷所医薬品の廃棄が回避できるようになった。
また、薬剤師の配置も工夫。新たに手術室に配置し術後鎮痛薬の調製などを行っている。これら以外にも、使用する医薬品の種類や必要な在庫数の見直しなどを実践。患者さんの安全性向上、病院に対する経済的貢献につながっている。
渡邊裕之・薬剤部長は病院薬剤師の業務内容が変わりつつあることも指摘。「医薬品管理や調剤など“対物業務”は積極的な機械化を進め、今後は患者さんへの細やかな対応や他職種との連携など“対人業務”に時間と労力を注ぐことが重要。業務改善を重ね、患者さんとスタッフ双方に、より良い環境を提供していきたいです」と意欲を見せる。