徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
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2024年(令和6年)02月26日 月曜日 徳洲新聞 NO.1429 2面
アカデミック・ディテーリングや電子患者日誌について講演した小茂田顧問
千葉西総合病院の小茂田昌代・薬剤部顧問(一般社団法人日本アカデミック・ディテーリング研究会代表理事)は、神戸市で開催された第97回日本薬理学会年会で、アカデミック・ディテーリングや電子患者日誌をテーマに講演を行った。ランチョンセミナーに登壇。
「処方行動に影響を与えるアカデミック・ディテーリングの実践~薬剤師の武器は薬理学にあり~」をテーマにした発表は、一般社団法人徳洲会(社徳)薬剤部の高橋智部長と千葉西病院の出雲貴文・薬剤部長が座長を担った。
小茂田顧問はアカデミック・ディテーリングについて「公正中立な基礎科学と臨床のエビデンス(科学的根拠)をもとに、医薬品比較情報を能動的に発信する新たな医薬品情報提供アプローチであり、医師の処方行動に影響を与え、処方を最適化すること」と説明。
続けて、米国やオーストラリアの状況、海外視察後に自ら当時勤めていた病院でスタートした“臨床薬剤師”の活動、千葉西病院で始めたがん患者さんへの便秘治療薬に関する処方提案の取り組みなどを概説した。
そのうえで「処方後の医師への疑義紹介に加えて、これからは処方前に踏み込んで、薬理作用や薬物動態など薬剤師ならではの科学的視点から、最適な処方提案をわかりやすく行うことが重要です。そのためには薬剤師に意識改革が求められています」と強調した。
「電子カルテと連動した電子患者日誌-薬学的管理システム(ePRO-PMS)の開発~病院と薬局薬剤師のデジタル連携~」をテーマとする発表では、社徳薬剤部の工藤琢也副部長と千葉西病院薬剤部の香取哲哉・化学療法担当薬局長が座長を務めた。
徳洲会グループは千葉西病院主導で電子患者日誌「薬の安全まもるくん」を開発。これは、患者さんのセルフケアを支援するとともに、病院薬剤師と保険薬局が患者さんの情報を共有するなど“薬薬連携”を通じて適時介入し、薬の副作用から患者さんを守るためのスマホのアプリだ。小茂田顧問は開発過程や使用法など説明した。