徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)02月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1428 3面
徳洲会看護部門は1月18日、吹田徳洲会病院(大阪府)で業務改善発表会の本選を開催した。日頃実践している改善活動を共有し、看護の質向上やモチベーションアップ、経営参画への意識向上などを図るのが目的。
(左から)稲嶺・看護副主任、下田看護師、髙島・看護師長、小林看護師
業務改善発表会は全国6ブロックで予選を開催し、18病院が本選に出場。このうち1位には湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)の髙島聖子・看護師長と山口祐佳看護師が発表した「夜間のおむつ交換を減らして~高齢者のせん妄予防と看護職員の身体的負担軽減への取り組み~」が選ばれた。
夜間のおむつ交換による中途覚醒で、高齢者がせん妄や不穏行動になりやすいなど課題を提示。そこで、おむつ交換を1日3回に減らすため、改善策を講じて実践。トライアル前後に看護職員にアンケートを取った結果、中途覚醒によるせん妄や不穏行動が減った、看護職員の業務負担が軽減され職務への意欲が向上したなど、改善が見られた。課題として「真菌感染を防ぐため、除外対象患者さんのアセスメントを強化します」など挙げた。
2位は北谷病院(沖縄県)で、稲嶺香・看護副主任が「褥瘡発生率低減に向けた取り組み~褥瘡発生率ワースト1からの脱却に向けて~」と題し発表。同院は2019年5月時点で褥瘡発生率がグループ病院でワースト1位を記録したため、褥瘡対策委員会を中心に改善活動を行った。
その結果①中部徳洲会病院(同)の皮膚・排泄ケア認定看護師の介入や、同委員会による褥瘡件数や発生率の発信により、褥瘡対策の必要性について意識付けにつながった、②受けもち看護師が採血データ・体重・皮膚状態などから患者情報を把握できた──など改善し、「継続教育や多職種協働で、今後も質の高いケア提供につなげていきます」と意欲を示した。
3位は福岡徳洲会病院で、下田有希菜看護師(7階南病棟)が「安全で安心できるがん薬物療法看護~入院から外来までの継続看護~」をテーマに発表。23年6 月から同病棟ですべてのがん薬物療法入院患者さんの受け入れを開始、看護師・患者さんが安全に安心して同療法を提供する・受けることを目標とした。
結果は①看護師と患者さんの知識・技術の習得、②安全な看護が提供できる環境整備、③システム構築による医師と看護師の業務改善、④患者さんが個別性に合わせた教育を受けられるようになった──など改善。「今後、新たながん薬物療法にも対応すべく、学習・教育を継続し、専門知識の習得に努めていきます」と目標を掲げた。
会場賞は長崎北徳洲会病院の小林久美看護師が発表した「看護補助者へのタスク・シフト~入院時オリエンテーションの実施~」が選ばれた。
八木沼正子・看護部門本部長が受賞者に賞状を手渡し、「小規模から超規模までいろいろな病院が予選を突破し、それぞれ特徴ある発表内容でした。これからも自信をもって業務に取り組んでください」とエール。さらに「グループ病院間、また多職種間でも連携を強固にしていけば、患者さんにより良い医療・介護を提供でき、スタッフも働きやすい環境になっていくと思います」と締めくくった。