徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)02月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1428 2面
福岡徳洲会病院看護部が導入した「エリアバディシステム」が奏功している。病棟を複数のエリアに分け、各エリアを2~3人の看護師がバディ(相棒)となって担当するシステム。業務効率化をはじめ、さまざまな効果を得ている。
バディで随時情報共有し、迅速な看護の提供へ
エリアバディシステムは、瀬上希代子・看護部長が“余裕のある業務体制の実現”を目的に構築。病棟内に複数のスタッフステーションを設置する“分散型看護拠点”の考え方をベースに、2021年度に試行、23年度に全病棟で導入した。
毎朝、バディの組み合わせと担当エリアが決まると、各看護師はバディの看護師と情報共有やクロスモニタリング(互いに気を配り、助言し合う)を行いながら業務を遂行する。担当の患者さんを決め、病棟全体で看護師が個々に活動する体制から、担当を「場所」にして看護師の行動範囲を限局。ひとつのエリアに複数人をあてがう現在の体制に変えたことで、ナースコールに出るまでの時間が短縮したり、チェックや見守りが行いやすくなったりするなど、より迅速で安全な看護が実現した。
瀬上・看護部長は「バディの存在は看護師自身の安心感にも直結します。精神的な余裕が生まれ、小さな変化に一層気付きやすくなりました」と強調する。また、バディを組んだ看護師間で休憩時間の確保や定時退勤を促す場面が見られ、「働き方改革」にも寄与している。
最近は看護師と看護補助者、看護師と臨床工学技士など他職種とバディを組む動きも生まれている。瀬上・看護部長は「各病棟で業務が潤滑に回るバディの組み方を工夫・検討しています。ひとりで業務を抱え込まない体制を築き、働きやすく、安心・安全な病院づくりにつなげていきます」と意欲的だ。