徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2024年(令和6年)02月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1428 1面

大垣病院
「病院機能評価」を取得
徳洲会全体では36病院が認定

大垣徳洲会病院(岐阜県)は日本医療機能評価機構(JCQHC)が実施している第三者評価である病院機能評価の認定を取得した。病院機能評価は医療の質の向上と信頼できる医療の確保を目的に、病院組織の運営管理や提供される医療に関して同機構が中立的・科学的・専門的な見地から評価を行う認定制度。同院は“一般病院2”(3rdG:Ver3.0)と、副機能として“リハビリテーション病院”、“慢性期病院”のカテゴリで審査を受け合格。初回の受審だ。病院機能評価を取得している徳洲会病院は36施設に上る(2024年1月時点)。

病院機能評価受審プロジェクトチームのコアメンバーら 今年度のQI大会では過去最多の28部署が発表。発表後には廊下にスライドを掲示

病院機能評価を取得している病院は国内に2,016施設。審査は書面審査と2日にわたるサーベイヤー(調査員)による訪問審査により実施。大垣病院は23年9月下旬に訪問審査を受け、1月4日付で認定を受けた。認定期間は5年間の更新制だ。

評価項目は大きく分けて、①患者中心の医療の推進、②良質な医療の実践1、③良質な医療の実践2、④理念達成に向けた組織運営──の4つの評価領域からなる。

同院が病院機能評価の取得に向けて本格的に動き出したのは22年6月。「医療安全や医療の質など、さらなる向上を目指すうえで、客観的に当院を審査する第三者評価を受審することが有益であると判断し、病院機能評価を受けることとしました。さらに、病院機能評価は受審する過程で、各領域にかかわる問題点の抽出から改善までを行うPDCAサイクルを回すことができる体制づくりにも資するものです」と総務課の久富俊宏・課長補佐は説明する。

まず実施したのはコアメンバーの選出だ。新しい取り組みに対して前向きで、レスポンスが早いことなどを主にメンバーを選んだ。大西量一郎・副院長兼整形外科部長、青木光広・副院長兼耳鼻咽喉科・頭頸部外科部長、久富・課長補佐、八百久美子・看護師長、安藤里美・看護師長、堀浩子・副薬局長、小出紘靖リハビリテーション科主任(理学療法士)の多職種7人だ。

また、4領域と2副機能ごとに責任者を配置するとともに、複数人からなるワーキングメンバーを決めて、“病院機能評価受審プロジェクトチーム”を編成した。

朝礼で積極的に情報共有

受審を23年秋と定めてタイムスケジュールを作成し、参考にするためグループ内の病院機能評価取得病院を見学するなど情報収集に注力。集めた情報は週1回以上、朝礼でプレゼンを行い全体共有に努めた。プレゼンの回数は受審までに97回にも上り、徐々に取り組みに対する部署間での温度差もなくなっていったという。

多岐にわたる評価項目のなかには「倫理的課題への継続的な取り組み」といった項目もある。臨床現場では、身体拘束や治療・輸血拒否、血液透析の終了希望など倫理的に難しい問題をはらんだ場面が想定される。

大西副院長は「患者安全を守るために、さまざまな取り組みを行うことに加えて、治療方針をしっかりと患者さんやご家族に伝え、手術の利益・不利益などをきちんと説明して同意を得るとともに、それをしっかりと記録に残すことが重要です」と強調する。

一例を挙げれば、誤認防止のためER(救急外来)での患者さんのリストバンド着用の徹底、24時間365日の警備員常駐、薬局から病棟への注射カート運搬時のカーテン装着、デジタルサイネージ(電子看板)による患者さん番号の表示(待ち時間の可視化)、クリニカルパス活用のためパス委員会の設置、ホームページの記載内容の見直しなど。

活動に一段と弾みをつけたのが、湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)の宗像博美・名誉院長によるレクチャーだった。宗像・名誉院長は病院機能評価のサーベイヤー経験がある。22年12月に大垣病院を訪問し、現状の把握や問題点の抽出、問題改善に対するアドバイス、機能評価の目的・必要な知識の補足など1日がかりで指導。受審までに計3回訪問し、問題解決まで院内で導き出せるようノウハウを伝授した。

八百・看護師長は「当院も毎年QI(質向上)大会を開いています。前回まで10部署からの発表でしたが、今年度は28部署と、ほぼ全部署からの発表となり、院内の改善活動が活発になりました」と手応えを示す。安藤・看護師長は「第三者の目線で評価してもらうことで、外部の基準を知る良い機会」と捉え、堀・副薬局長は「認定を取得して終わりではなく、この状態をキープし、患者さんのために、これからも貢献していきたい」、小出主任は「どうしたら病院がもっと良くなっていくか、サーベイヤーからのフィードバックを生かし“選ばれる病院”を目指したい」と抱負を語る。

なお、病院機能評価取得後もプロジェクトは解散することなく、コアメンバーの集まりを「医療の質改善委員会」に再編し、基準に合致した病院運営を継続するための活動を行っている。

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