徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2024年(令和6年)02月05日 月曜日 徳洲新聞 NO.1426 1面

徳洲会グループ
外国人患者さん受け入れ増加
7月に国際健診センターをオープン

徳洲会グループは“生命だけは平等だ”の理念の下、外国人患者さんを積極的に受け入れている。不安なくスムーズに受診するには適切な体制が求められるが、徳洲会は大規模病院を中心に、各種問い合わせへの対応や通訳、コーディネート業務を行う専門部署(国際医療支援室)を設けるなど取り組みを進めてきた。さらに7月には徳洲会初の国際健診センター「Tokushukai International Medical Check-up Center (TIMC) OSAKA」を大阪にオープン予定だ。グループ病院の受け入れ状況とともに紹介する。

国際医療支援室のスタッフ(右)が受診をサポート(湘南鎌倉病院)

「新型コロナの影響で一時的に減少しましたが、在留外国人を合わせた受け入れ人数は、現在ではコロナ禍前を大きく上回るまでに回復しています」

宮城職員(左)から英語で手術内容の説明を受ける外国人患者さん(中部徳洲会病院)

こう話すのは、一般社団法人徳洲会国際部の渡部昌樹次長だ。コロナ禍前のピーク時にはグループ全体で年間約3万人を受け入れたが、一時期、約2万6,000人まで減少、その後回復し、2023年7月時点で約4万2,500人という受診状況(健診+治療)だ。ただし訪日外国人に限ると6割ほどの回復にとどまる。

「23年8月に中国からの団体旅行が解禁され、最近はベトナムからの訪日客が増加傾向となっており、今後そうした方々からの医療・健診ニーズの高まりが想定されます」と見とおす。

医療ビザ申請も支援

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は国際医療支援室の職員が英語、中国語、フランス語に対応し、医療通訳を派遣するNPO法人との連携などにより、多数の言語をカバー。23年は2,605人を同室がサポート、うち846人は訪日外国人だ。「一般社団法人徳洲会が外国人患者さんの身元保証機関の登録を行っていますので、希望があれば医療滞在ビザの申請からお手伝いすることもあります」と同室の天田麻里副主任は話す。

治療目的で中国やベトナムなど海外から来院する患者さんが、昨年後半から徐々に増加。がん治療や循環器疾患に対するカテーテル治療などだ。従来から周辺の米軍基地関係者の受診が多く、最近では、受診者さんの声を拾い上げ、新プランとして外国人女性を対象としたレディース検診を新たに開発するなど、サービス向上に腐心している。

同院の則竹淳・国際部国際医療戦略室室長は「当院は陽子線治療や再生医療、アミロイドPETなど国内でも限られた施設でしか実施できない検査・治療を行っています。これらを外国人患者さんにもアピールしていきたい」と意気込みを見せる。

中部徳洲会病院(沖縄県)では22年8月から23年7月までに8,563人の外国人患者さんが受診、グループでは最多。9割超が在留外国人で、その約4割が米軍基地関連の軍人・軍属の患者さん。国際医療支援部が11人体制で英語、中国語を中心に対応している。

受診科は救急科、皮膚科、消化器内科が多いが、日本人患者さんの受診傾向と差はない。同部の比嘉周作職員(医療通訳)は「米軍関係者は米軍基地内の病院で行っていないMRI(磁気共鳴画像診断)検査、歯科の受診が目立ちます。また沖縄の湿潤な気候が合わず皮膚科を受診する方もいます」と説明する。

現在は1日2人程度、健診・人間ドックで訪日外国人の方も受け入れている。「接遇や食事などのサービスの質も高いことが口コミで広まり、受診につながるケースが多いです」と同部の王芬職員(医療通訳)。

「日系ブラジル人の方で帰化されるケースもあり、ポルトガル語通訳のニーズも高まっています」と同部の宮城仙枝職員(同)。通訳の体制強化も一層図っていく構えだ。

搬送から治療まで引き継ぎ

山﨑成夫・呼吸器内科部長の診察を受ける根室市在住ロシア人患者さんを森山インガ職員(左)がロシア語で通訳(札幌東病院) ベトナムから来日した患者さんを木村副院長(左から2人目)が診療。その右が竹内職員、右から2人目が中国語担当の劉曦謡職員(八尾病院)

札幌東徳洲会病院の23年の外国人患者さんは2,583人。7割強が在留外国人の方で、中国、ロシア、米国国籍が上位を占める。国際医療支援室は8人体制で英語、中国語、ロシア語に対応。同室の西沢光明課長は「ロシアから帰国した在留邦人やロシア人在住者もおり、ロシア語の需要が潜在的に高いです」と地域事情を説明する。受診者の内訳は救急科が最も多く、循環器内科、耳鼻咽喉科が続く。外国人技能実習生、外資系企業の外国人社員が入社時健診で受診するケースも増加傾向にある。

同院は、徳洲会グループ内外の病院に入院した外国人患者さんで、言語の問題などから、その病院で対応が難しい場合、札幌東病院の救急救命士らが救急車で向かい、治療を引き継ぐことにも取り組んでいる。西沢課長は「札幌市から100㎞以上離れているスキーリゾート地ニセコを有する倶知安町の病院と提携しました。当該病院でいったん引き受けた外国人患者さんを当院が搬送から治療まで引き継ぐことで、資源が限られる同地域の救急搬送の負担軽減にも貢献したいです」と意義を示す。

八尾徳洲会総合病院(大阪府)の木村拓也副院長(兼肝臓外科部長兼小児外科部長)は「当院の周辺には以前から中国やベトナム出身の在住者が多く、他の患者さんと同じように受診されています。現在は英語、中国語、イタリア語は院内のスタッフで対応可能で、遠隔通訳サービスなども導入し多言語に対応しています」と話す。

23年は2,654人が受診、多くは在留外国人だ。一方、訪日外国人の受診も少しずつ増え、セカンドオピニオンを求める患者さんや、日本でのがん治療を希望するケースが多く、中国やベトナムからの来日が多いという。

昨年には日本公演のため来阪したシルク・ドゥ・ソレイユのバックアップ病院として提携、団員やその家族の診療を、滞在していた約半年間担当した。このほか、八尾市内外の教育委員会からの問い合わせや口コミなどで外国人英語教師が来院している。国際医療支援室の竹内里佳職員は「体調を崩した外国人の方々の不安な気持ちに寄り添いながら通訳することを心がけています」と意気込みを見せる。

徳洲会初の人間ドック専門センター 大阪駅直結ビルに「TIMC OSAKA」

落ち着いた雰囲気で高級感が漂うTIMC OSAKA(完成予想図)

徳洲会グループは7月、徳洲会初の人間ドック専門センターをオープンする。「Tokushukai International Medical Check-up Center (TIMC) OSAKA」だ。場所は、JR大阪駅に直結したアクセス至便の複合ビルであるJPタワー大阪11階。同ビルは地上39階建てで3月竣工予定。

TIMC OSAKAの鎌船敦マネージャーは「人間ドック専門のセンターですので、スムーズかつスピーディに、ストレスなく検査を受けていただくことができます。国内外からの受診者の方々の受け入れ体制を整え、あらゆる言語に医療通訳が対応し、コンシェルジュによる手厚いサポートも行います」とアピールする。CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像診断)をはじめ最新の医療機器を完備し、歯科検診なども含め多岐にわたる検査項目を一日で行う。また個室を多く設けプライバシーに配慮するとともにリラックスできる環境を提供。

来年9月には東京都江東区豊洲に国際健診センターの第2弾をオープン予定だ。

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