徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)01月22日 月曜日 徳洲新聞 NO.1424 4面
レーザー治療を行う柏医師 「低侵襲な治療が可能になります」と前田部長 「早期発見・早期治療につなげたいです」と三浦医師
名瀬徳洲会病院(鹿児島県)は昨年、新たに3人の常勤医師を確保、診療面の拡充を図っている。まず5月に形成外科専門医の柏英雄医師が入職。それまで形成外科は非常勤医師のみで週2日の診療だったが、月曜~木曜まで外来を実施するとともに、柏医師の経験が豊富な眼瞼下垂手術をはじめ月に20例ほど実施。柏医師は「術後のケアも含めフォローが強固になり、手術を希望する患者さんの心理的ハードルも下がったと思います」と話す。手術を受けた患者さんからは「傷痕が目立たない」と好評だ。
6月には前田悟郎・産婦人科部長が入職。これまで島内でほとんど行われていなかった良性の子宮筋腫や骨盤臓器脱に対する腹腔鏡治療を開始した。腹腔鏡を用いることで、出血が少ない低侵襲な治療が可能になり手術時間や回復までの時間が短縮、患者さんの身体的・経済的負担の軽減につながっている。前田部長は「骨盤臓器脱は直接、生命に影響を与える疾患ではありませんが、排泄に支障が出たり下腹部痛を生じたりするなど、生活に大きな影響を与えます。分娩回数が多いと発生しやすいため、子だくさんの方が多い奄美大島では治療ニーズが高いと考えています」と指摘する。
健診・検診も充実。9月に三浦智子・内科医師が入職し、健康管理室の医師が2人体制となった。検査結果や、その後の治療の必要性などについて説明する時間が十分確保できるなど、より丁寧な患者さん対応につながっている。三浦医師は「たとえば健診で睡眠時無呼吸症候群の兆候が見られた患者さんに、即日、簡易検査の機械を貸し出し、治療に至ったケースも少なくありません。健診・検診の意義を広め、疾患の早期発見・早期治療につなげます」と意欲を見せる。
いずれの医師も、島内の医療を充実し島民のQOL(生活の質)向上につなげていく構えだ。さらに、柏医師は島内の笠利病院、瀬戸内徳洲会病院で職員向けに形成外科領域に関する講演を実施。前田部長は徳之島徳洲会病院(鹿児島県)で婦人科良性疾患の腹腔鏡手術を手がけるなど、奄美群島全体の医療充実にも力を注ぐ。