徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)12月04日 月曜日 徳洲新聞 NO.1418 2面

病気のはなし141
理解している医師が少ない
局所ジストニア

手や足など体の一部が意思に関係なく、こわばったり、ふるえたりする疾患を局所ジストニアという。なかでも、たとえば字を書く時に手がこわばる書痙、ピアノなど弾く手首や指が意に反して曲がったり、こわばったりする音楽家ジストニア、運動選手の動作に異常を来すイップスなど、特定の動作の際にのみ出現するものは、動作特異性ジストニア、職業性ジストニアなどと呼ばれる。

運動を司る脳の神経回路が反復動作により、障害されて起こると見られるが、反復動作をしても症状が出る人と出ない人がいて、大元の原因はわかっていない。

治療法は内服、ボツリヌス毒素局所注射、手術があるが前2者の効果は限定的な場合が多い。手術は高周波で脳の患部を焼いたり、脳に電極を埋め込み神経回路に電気刺激を与えたりする方法があり、病状にもよるが、高い有効性が期待できる。

「問題は、一般の方だけでなく医師にも、この疾患を理解している人が少ないことです」と吐露するのは湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)の山本一徹・機能的神経疾患センター長(機能神経外科)。診断がつかないまま放置されている例も相当数あると見られ、正確な患者数はわかっていない。「ジストニアの手術をできる病院は限られています。症状に心当たりがある方は、当センターに問い合わせてみてください」と山本センター長。遠方からも相談しやすいよう、同センターは今後、オンライン診療を導入予定だ。

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