徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)12月04日 月曜日 徳洲新聞 NO.1418 2面
「リピーターは病院の宝」と外来診療の充実も呼びかける東上理事長
東上震一理事長はセミナー初日、今後の徳洲会グループと題し、示唆に富んだ講話を行った。まず、仕事に取り組む心構えとして、「段取り8分、仕事2分が肝要」と強調した。物事を成す時、あるいは本格的に仕事に取りかかる時に、事前に周到な根回しをしたり、リサーチを綿密に行ったりすることで、仕事そのものが非常にやりやすくなる。「Preparation is half the battle(準備をしておけば、ほとんど勝ったも同然)」と西洋にも同様の俗語あることを引き合いに説明した。
次に、徳田虎雄・名誉理事長の「人は信頼しても信用するな」という言葉を紹介。たとえば、部下を信頼して仕事を任せても、結果まで信用してしまわずに自分でも確認することが大切であり、東上理事長は「疑わば用いるなかれ、用いては疑うなかれ」と中国の古典も引用し、人使いの真髄を説いた。また、「人を弄べば徳を失い、物を弄べば志を失う」とリーダーのあり方を示すとともに、「人生意気に感ずる」、人は自分への期待に感動して積極的に行動するものだと呼びかけた。
徳洲会グループの現況に関しては、コロナ禍前と比較し救急件数が増え、紹介・新入院数も増加傾向にあり増収となっているが、利益が低迷していることに触れ、高原価体質への変化、治療手技の変化、高額医薬品の使用など、提供する医療形態の変遷が原因と指摘した。こうした状況下でも、徳洲会は各病院の医療機能を向上させるため、建築コストが高止まりしているにもかかわらず、増改築を推し進めている。
東上理事長は収益力を高めるため、「超規模、大規模病院の収益構造を強化する必要があります。命綱は救急件数の増加。救急入院率を全体で50%にするのが目標です」と語気を強めた。さらに「リピーターは病院の宝」と外来診療の充実も訴えた。
最後に、徳洲会がこれから目指すところを、公的・準公的な医療グループの一角を占める4強入りを果たすことを掲げた。東上理事長は「向こう5年強の中期目標として収益7,000億円台乗せを狙います。決して数字を競うわけではありませんが、徳洲会が拡大することが患者さんの利益につながると信じています」と断言した。