徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)11月27日 月曜日 徳洲新聞 NO.1417 4面

読み解く・読み得 紙上医療講演
補聴器を購入する前に

今回のテーマは「補聴器」。聞こえが悪くなってきた時の助けになる補聴器ですが、日本人は装用に抵抗を感じる方が多いようです。なかなか自分に合う補聴器が見つからず、せっかく購入したのに使わなくなってしまう方もいます。補聴器選びに失敗しないためにはどうすればよいか。補聴器相談医、補聴器適合判定医の資格をもつ武蔵野徳洲会病院(東京都)の平塚宗久・耳鼻咽喉科医長が解説します。

武蔵野徳洲会病院(東京都) 平塚宗久・耳鼻咽喉科医長 臨床検査技師による補聴器適合検査の様子

聞こえが悪くなってきた場合、まずは耳鼻科の受診をおすすめします。補聴器を選ぶ際に必要な検査には、純音聴力検査と語音聴力検査がありますが、補聴器専門店や眼鏡店では、これらの検査ができない可能性もあります。これらの検査で、補聴器を使うのは片耳か両耳か、補聴器の効果が出やすいかなどを評価します。

純音聴力検査では、音の高さ(周波数)ごとの聞こえの程度が正常か異常かを調べ、さらに聞こえの悪さが、どの部位の異常によるものかを判断します。防音室でヘッドフォンを装着して行いますが、健康診断などで行う検査より詳しく調べることになります。

語音聴力検査では、言葉の聞き取りについて調べます。言葉を使ったコミュニケーションでは、声は聞こえていても何を言っているのか理解できなければなりません。検査では、日常会話で使われる語音が、音の大きさごとに、どのくらい正しく聞こえるかを測定します。言葉がうまく聞き取れない場合、補聴器で聞こえを補助しても効果を実感できません。

耳鼻科を受診した場合、聞こえの悪さが病気によるものかを診断できるので、治療の必要があれば対応します。また、難聴が高度で基準に該当する場合、障害者手帳の交付の対象となります。指定医が作成した申請書類を役所に提出し、手帳が交付されたら、補聴器の購入に対する自己負担額が大幅に減少します。

補聴器に似たものとして集音器がありますが、これは医療機器ではありません。個人に合わせて調整できず、すべての音を大きくするため、難聴が進行する恐れがあります。補聴器の購入は保険適用にならず、全額自己負担になりますが、聞こえに悩みがあるのであれば、補聴器をおすすめします。

補聴器を片耳だけに付ける場合、基本的には難聴の程度が軽いほうの耳に付けます。そのほうが、聞こえの到達点が高くなり効果を実感できます。両耳とも付けると、聞こえの幅が広がり、たとえば後ろから声をかけられた時にも気付けるようになります。目的に応じて医師と相談しながら、どちらの耳に装用するか決めましょう。

補聴器を選ぶ際には耳掛け型か耳穴型か、電池式か充電式かなど選択肢があります。コロナ禍では、耳掛け型だとマスクをはずす時に引っ掛けて紛失する恐れがあるため、耳穴型を選ぶ方が増えました。また、細かい作業が苦手で電池交換ができないため、充電式を選ぶ方もいます。

補聴器を購入する前には、試し装用をして日常生活のなかで聞こえ具合を確かめることが重要です。また、購入後はリハビリ期間を設けて、徐々に自分に合ったレベルに調整していきます。耳鼻科では補聴器適合検査を行います。この検査は保険適用となり、施設基準をクリアした医療機関でないと実施することができません。

視力が悪くなったら眼鏡をかけるように、聞こえが悪くなったら補聴器を検討するのもひとつの考え方です。購入する前に耳鼻科で相談し、失敗のないようにしましょう。

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