
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)11月27日 月曜日 徳洲新聞 NO.1417 3面
徳洲会緩和ケア部会は10月7日、札幌市内で第4回徳洲会緩和ケアセミナーを開催した。「ポストコロナの緩和ケア」をテーマに、一般演題やシンポジウムに加え、職種別分科会など充実したプログラムを企画し、全国27施設から集まった徳洲会の緩和ケア関係者100人が研鑽を積んだ。医師や看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士など多職種が参加した。2019年以来4年ぶりの開催となり、その間の21年7月に新築移転した札幌南徳洲会病院の新病院紹介も行った。
27施設から100人の緩和ケア関係者が集まり研鑽
冒頭、徳洲会緩和ケア部会の部会長を務める札幌南病院の前野宏総長が登壇。開会の挨拶を行い、徳洲会緩和ケア部会のあゆみや徳洲会の緩和ケアの現状を説明した。
23年10月時点で緩和ケア病棟を有するのは8病院で、同病棟はないものの緩和ケアチームが活動しているのが6病院。今後、複数の病院が同病棟や同チームの設置を検討していることを明かし、緩和ケア外来や在宅緩和ケアを行っている施設を紹介した。
最後に前野総長は「私たちは“生命だけは平等だ”の理念とともに、“ホスピスのこころ”を大切にしています。“ホスピスのこころ”とは“弱さに仕えるこころ”のことです。これらの理念が我々のアイデンティティであり、“いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会”を目指す徳洲会が緩和ケアを行う意義は大きいと考えています」と強調した。
「徳洲会が緩和ケアを行う意義は大きい」と前野総長
次いで札幌南病院の四十坊克也院長が、新築移転した同院を紹介。四十坊院長は、3つのH(Hospitality:おもてなし、 Healing:癒やし、 Hope:希望)など同院のコンセプトや、緩和ケア病棟を旧病院の18床から40床に倍増したことなどを説明し、フロアごとの特徴を示した。
続いて、多岐にわたる内容の一般演題を5題発表。札幌南病院の武藤修一・緩和ケア内科部長が緩和医療のなかのIVR(画像下治療)、吹田徳洲会病院(大阪府)の馬場美華・緩和医療科部長がケミカルコーピング(精神的な苦痛に対処するための医療用麻薬の使用)、名古屋徳洲会総合病院の坂本雅樹・緩和ケア外科部長がアセトアミノフェン注射剤の皮下投与の経験、札幌南病院の梶原陽子・教育師長が専門的緩和ケアを担う看護師のコアコンピテンシー(核となる能力)と教育、同院の棟方千秋・看護師長が認知症ケア(カンフォータブル・ケア)をテーマにそれぞれ口演を行った。
職種別分科会では施設間で課題を共有
この後、コロナ禍での緩和ケア病棟の運営や、施設ごとの緩和ケアの取り組みなどについて、吹田病院、千葉徳洲会病院、南部徳洲会病院(沖縄県)、千葉西総合病院、岸和田徳洲会病院(大阪府)、ホームケアクリニック札幌、緩和ケア訪問看護ステーション札幌、東大阪徳洲会病院の8施設が報告。面会ルールやタブレット端末を用いた非対面式の面会導入などを発表する施設が見られた。
シンポジウムは「コロナにおける緩和ケア」をテーマに、千葉病院、名古屋病院、南部徳洲会病院、札幌南病院から計4人のシンポジストが、クラスター(感染者集団)発生中の緩和ケアの対応や工夫、家族ケア、感染対策などを紹介した。
職種ごとの分科会では、日頃の悩みや課題などを話し合って共有。たとえばリハビリセラピストのグループでは「緩和ケアに対し『病状はもう良くはならない』というイメージをもっている患者さんが多く、拒絶され介入するのが難しい時があります」、「一方で、セラピストは他職種と比べ長い時間患者さんと触れ合うことから、患者さんの変化に気付きやすいのが強み」など意見が上がり、共感したり相互に理解を深めたりした。最後に全体に向けて各グループが発表を行った。
全プログラムを終え閉会挨拶で前野総長は「新型コロナ感染症は、まだ完全には終息していませんが、ポストコロナと言える状況を迎え、一度部会として総括する必要を感じていました。グループの中には規模やタイプの異なる病院がありますので、緩和ケアを行う病院が一堂に会し、ディスカッションを通じて、相談し合える体制づくりのきっかけになったと思います。とても良い時間を過ごすことができました」と目を細めた。
四十坊院長は「4年ぶりの対面でのセミナーで、多くの気付きがあったと思います。ぜひ明日からの診療に生かし、患者さんのために皆で頑張っていきましょう」と呼びかけた。来年は名古屋病院の坂本部長が担当幹事となり開催予定だ。