徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)11月13日 月曜日 徳洲新聞 NO.1415 3面

日本癌治療学会
徳洲会から11演題
優秀演題に2演題選出

第61回日本癌治療学会学術集会が10月19日から3日間、横浜市内で開催された。徳洲会グループからは一般口演5演題、eポスター6演題の発表があり、このうち湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の柴慎太郎・放射線腫瘍科医長がYoung Oncologist Award、八尾徳洲会総合病院(大阪府)の中出早代薬剤師がMedical Staff Awardを受賞した。一般口演を中心に紹介する。

湘南鎌倉病院の柴医長

柴医長は「オリゴ肝転移に対する重粒子線治療の成績―J-CROS多施設共同全例登録データの解析―」がテーマ。重粒子線治療は加速した炭素イオンを照射する放射線治療。2016年5月から20年6月まで、102人(121腫瘍)のJ-CROS(重粒子線治療多施設共同臨床研究)登録データを解析した結果、同治療はオリゴ肝転移に良好な結果を示し、「とくに低分割の重粒子線治療は期間が短く、化学療法の休薬期間中にも実行できます」と可能性を示唆した。

八尾病院の中出薬剤師

中出薬剤師は「がん化学療法開始時のmGPSと治療継続期間について」と題し発表。mGPSは血中CRPと血清アルブミン値から悪液質(がんにともなう全身衰弱などの合併症)の程度を客観的に判定する方法。21年4月から1年間、90人を対象に検討した結果、化学療法開始時のmGPSが高ければ化学療法の継続期間は短い傾向があり、開始時のmGPSは予後指標になる可能性を提示した。

南部徳洲会病院の向山副院長

南部徳洲会病院(沖縄県)の向山秀樹・副院長兼泌尿器科主任部長は「国産手術支援ロボットHINOTORIを用いた腹腔鏡下前立腺全摘術の初期治療経験」をテーマに発表。同院では22年2月にHINOTORIを導入、23年1月までの21例について報告した。結果、平均稼働時間は379分、深刻な合併症は認められなかったことを強調。ほかに前立腺がんに関連し、同院から稲福直美・臨床検査部副主任(臨床検査技師)が「当院の前立腺癌に対するMRI標的生検の取り組み」と題し発表した。

南部徳洲会病院の平安名副院長

同院の平安名常一・副院長兼放射線部統括部長は「原発不明頭頸部癌(HNCUP)の症候性頸部固定巨大リンパ節に対する動注化学放射線治療(IACRT)の有用性」がテーマ。動注した抗がん剤や併用した放射線療法の詳細などを解説、「症候性頸部固定巨大リンパ節をともなうHNCUPに対し、IACRTは良好な局所制御と生存率を達成することが示唆された」とまとめた。

吹田病院の関センター長

吹田徳洲会病院(大阪府)の関明彦・腫瘍内科がんカテーテル治療センター長は「癌性出血に対する動注療法の止血効果」と題し発表。非緊急の持続的ながん性出血を制御するために、塞栓材料なしで動注化学療法を受けた29例を報告。「腫瘍が制御されるにつれて、十分な生存と出血制御が達成されました」と効果を示した。

岸和田病院の米村センター長

岸和田徳洲会病院(大阪府)の米村豊・腹膜播種センター長は「大腸癌腹膜播種に対する包括的治療の適応」がテーマ。06年から21年で、腹膜播種を有する大腸がん(PMがん)906例のうち、腹膜転移に対する腹膜切除を実施した447例に関し、長期生存と治癒に寄与する臨床病理学的パラメータを分析。症例や写真を用い、治療の適応や実際の治療内容について解説した。

宇治病院の長山部長

宇治徳洲会病院(京都府)の長山聡・消化器外科部長は「患者腫瘍由来大腸がん細胞を用いたタンキラーゼ阻害剤感受性規定候補因子の評価」をテーマに発表。タンキラーゼ阻害剤は大腸がん(CRC)の新しい治療薬となる可能性がある。すべてのCRC細胞株に感受性があるわけではないとすでに報告しており、今回は追加の予測バイオマーカーを特定するために調査、患者さんへの効果を示した。

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