徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)11月06日 月曜日 徳洲新聞 NO.1414 3面

日本病院学会
徳洲会から11演題
多岐にわたる領域で研鑽

第73回日本病院学会が2日間、仙台市内で開催された。病院運営から人材育成、医療の質、地域医療、医療安全、看護、リハビリテーション、放射線、臨床検査など、多岐にわたる領域を対象に多くの演題発表を行い、全国から集まった医療関係者が知見を共有、研鑽を積んだ。徳洲会グループからは一般口演やポスター、ランチョンセミナーで計11演題を発表した。

「スマホ問診で発熱外来を効率的に運用」と鬼塚院長 「高い治療レベルと地域連携を継続」と森顧問

一般口演では、長崎北徳洲会病院の鬼塚正成院長が「スマホ問診による発熱外来ドライブスルー診療の効率性と課題」をテーマに口演した。同院は2022年9月にAI問診システムを導入。

以前は、看護師が電話で問診を行い、カルテに記載後、医師が抗原検査をオーダーし、ドライブスルー検査後に医師が薬を処方していた。導入後は、患者さんが電話で発熱外来を予約後、スマホでウェブサイトから問診票を入力。入力内容をカルテに反映し、医師が電話をかけて症状を把握、薬を事前処方し、患者さんはドライブスルーで抗原検査を受ける。その後、薬を受け取って会計をすませ、検査結果を電話で伝えるという流れだ。

鬼塚院長は「スマホ問診の導入で発熱外来の効率的な運用が可能となり、1日当たりの診療可能患者数は、以前は10人が限界でしたが、最大40人に増加しました。また、スマホ問診で当院を知った患者さんのなかで29%が外来リピーターとなっています」と結んだ。

鬼塚院長は「医師の働き方改革~2024年に向けて~」と題する口演も行い、病棟看護師へのアンケート結果をもとに、「医師の働き方改革」の実施状況・進行具合や職員への周知状況を紹介。「医師の働き方改革には病院スタッフ、患者さんと家族からの理解が必要です。また、病院単独ではなく、医療圏での取り組みが重要」と訴えた。

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)脳卒中センター・脳卒中診療科の森貴久顧問(医師)は「脳卒中連携パスで培った実力で入退院支援加算1も高率算定」をテーマに発表。連携パスは、疾患別の標準的な診療計画に沿い、地域の医療機関が連携して急性期から維持期まで切れ目のない医療を提供する仕組み。2006年度に大腿部頸部骨折を対象に制度化され、08年度に脳卒中が加わった。

16年度から疾患を問わない退院支援加算、18年度からは入退院支援加算に制度移行している。

「脳卒中連携パスによる加算の算定制度終了にともない、医師参加の脳卒中連携パスの会が活動休止し、全疾患対象の入退院支援加算に対する医師の関心が低くて算定できていない病院が少なくないと聞いています。そこで、自院の脳卒中センター・脳卒中診療科の『脳卒中連携パス時代の管理料・算定率』と『入退院支援加算時代の加算1・算定率』を調査しました」(森顧問)

結果、連携パス時代の算定率は100%、加算時代も94%と高い算定率を維持。「入院時の医師説明・医師とコメディカルの地域連携の会を継続し、短い平均入院日数を維持するなど、高い治療レベルと地域連携を継続してきたことで、入退院支援加算の対象である全脳卒中患者に高率算定できていました」とまとめた。

脳卒中連携パスに関しては、同院医療相談室の千葉のぞみ副主任も「脳卒中地域連携パス運用実績 連携パス時代とコロナ禍の比較」をテーマに口演した。同院は16年度以降も脳卒中地域連携パスの用紙運用を継続。千葉副主任はコロナ禍での連携パス利用による転院状況について発表した。

一般口演では湘南鎌倉病院の清水利光・放射線科副技師長が「新規Workstationを使用したMPR再構成の時間短縮の検討」、札幌徳洲会病院の山田美樹・看護主任が「唾液アミラーゼモニターによるストレス評価値と勤務体系・勤務時間外・インシデントとの関連性~リスクマネジメントのために~」も発表。

ランチョンセミナーでは、仙台徳洲会病院肝臓内科の近藤泰輝副院長が「ウイルス肝炎撲滅に向けた取り組み~病院の医療安全の観点からみた検査結果説明の重要性~」をテーマに口演。湘南鎌倉病院、長崎北病院、岸和田徳洲会病院(大阪府)、神戸徳洲会病院が各1演題、ポスター発表を行った。

PAGE TOP

PAGE TOP