徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)11月06日 月曜日 徳洲新聞 NO.1414 2面

環太平洋外科系学会
4演題を英語で発表
湘南大磯病院&湘南鎌倉病院

第36回環太平洋外科系学会日本支部会学術大会が米国ハワイ州で行われ、湘南大磯病院(神奈川県)の柏木宏之副院長、湘南鎌倉総合病院(同)の村田宇謙・外科部長、坂本有輝也・初期研修医(2年次)、鵜梶真衣・初期研修医(2年次)が英語で演題発表をした。

(左から)村田部長、坂本・初期研修医、鵜梶・初期研修医、柏木副院長

同大会について柏木副院長は「若手医師が国際学会で発表する最初のステップとして良い大会だと考えます。2016年に初めて参加しましたが、コロナ禍で中断し、今年は3年ぶりの参加となります」と説明する。

柏木副院長は「Hybrid NOTESを応用した腹腔鏡下胆嚢摘出術」がテーマ。胆嚢良性疾患には低侵襲な腹腔鏡下胆嚢摘出術(Lap-C)が第一選択だが、近年、さらなる低侵襲を目指し新たな術式が試されている。発表では、膣など自然孔を利用したNOTESとLap-Cを併用したハイブリッド手術に関し報告。同手術では術後疼痛に対する鎮痛剤の使用期間が有意に短くなった。

村田部長は「非閉塞性腸管虚血(NOMI)の予後予測因子に関する後ろ向きコホート研究」と題し発表。徳洲会グループ8病院より、2011年から10年間で集めた88症例を検討。SOFAスコア(呼吸器、凝固系、肝機能、心血管系、中枢神経系、腎機能の6項目を評価)で10点以上の場合、NOMIの術後予後が悪いという結果を導き出した。

坂本・初期研修医のテーマは「右胃大網動脈を使用した冠動脈バイパス術後の早期胃癌ESD後の追加切除として噴門側胃切除を施行した一例」。同症例では追加切除の際に、まず右冠動脈の完全閉塞に対し、経皮的冠動脈形成術を施行。抗血小板剤2剤を1カ月投与後、1剤に変更し、開腹噴門側胃切除術を実施、さらに血流の評価も行った。発表後、「医学英語に慣れておらず大変でした。質問に答えるのが難しく、英語力の必要性を実感しました」と感想を話した。

鵜梶・初期研修医は「先天性左大腿動静脈瘻の一例」と題し発表。動静脈瘻は先天性と後天性に分類でき、先天性動静脈瘻は複数の流入動脈をもつことが多い。血管内治療や外科的切除が治療の選択となり、限局した腫瘤型動静脈瘻を除いて一般的に難治性。非常にまれであり、発表では文献的考察を加え報告した。発表後、「聞く人の解釈に齟齬が出ないように言葉選びに苦労しました。貴重な経験でした」と気を引き締めていた。

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