徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)10月16日 月曜日 徳洲新聞 NO.1411 4面
徳洲会薬剤部会は「徳洲会 救急外来薬剤師業務指針」を策定した。これは、救急外来(ER)での薬剤師の役割や標準的な業務内容を示したもの。同部会の救急薬剤師研究会が策定を担った。これまで各種学会や職能団体がERでの薬剤師の業務指針を策定した事例はなく、民間医療グループによる指針策定は珍しい。
手術室や集中治療室(ICU)への薬剤師の配置は現在、診療報酬で評価されているものの、ERへの薬剤師配置はいまだに評価がない。こうした理由から、全国的にERへの薬剤師配置はあまり進んでいないのが実情だ。一方、徳洲会グループでは救急医療に注力するなかで、全国に先駆けてERに薬剤師を専従配置する施設が増えつつある。
同研究会の会長で指針の作成委員のひとりでもある札幌東徳洲会病院の齋藤靖弘・薬剤部主任は「ERに薬剤師を専従配置することで、救急医療の質の向上につながるというエビデンス(科学的根拠)が少しずつ蓄積されています。タスク・シフト/シェア(業務移管・共同化)にも貢献します。ただ、『具体的に、どのような業務を行えばよいのか』という疑問が上がっているのも事実です。そこで、当研究会で業務指針を策定し、ERでの薬剤師業務を推進することとしました」と説明する。
業務指針は「初期対応・初期評価」、「治療・薬物治療」、「各疾患への介入」、「医薬品管理」、「チーム医療」、「その他」で構成。それぞれの局面での具体的な業務内容を列挙し、「その他」では学術活動や資格・認定の取得などに言及している。
齋藤主任は「各施設の特性や実情に応じて指針を取り入れ、救急医療の質と安全性の向上につながることを期待しています」と呼びかけている。