徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)10月16日 月曜日 徳洲新聞 NO.1411 2面
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は9月13日、隣接する研究機関の湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)で「湘南鎌倉総合病院と湘南アイパークのコラボレーションを考える会」を初開催した。当日は4人のパネリストが講演し、基礎研究や臨床研究に関する取り組みを説明。パネルディスカッションも行い、両施設の協力・連携によって生まれる新たな可能性について意見を交わした。
自院の再生医療に関する研究を紹介する大竹副院長
湘南アイパークは、ヘルスイノベーションを加速する場として2018年4月に誕生したサイエンスパーク。次世代医療、細胞農業、AI(人工知能)、行政など、さまざまな分野の関連企業・団体160社ほどが現在、入居またはメンバーシップとして参画し、活動している。湘南鎌倉病院の一部門「湘南先端医学研究所」も、そのひとつとして主に基礎研究を行っている。
同院と湘南アイパークは隣接しており、互いの特徴を生かしながら協力・連携することで、新たな医療の可能性を生むことを目的に、今回の会を企画した。
がん薬物治療について「個別化医療の実現」を望む澤木センター長
当日は4人のパネリストが登壇し講演。同院の大竹剛靖・副院長兼再生医療科部長は自院で取り組んでいる再生医療の研究を説明し、基礎研究や臨床研究の進捗状況、成果などを示した。湘南アイパークと自院の距離が近いため、湘南先端医学研究所での基礎研究を、円滑に自院で臨床応用できる環境もアピールした。
この後、同院の澤木明・臨床研究センター長兼治験部部長が、がん薬物治療をテーマに、徳洲会インフォメーションシステムの尾﨑勝彦社長がTMD(徳洲会メディカルデータ)をテーマに講演。ともに湘南アイパークとの連携を呼びかけた。湘南アイパークからは、武田薬品工業の中村文明R&Dリサーチアソシエイトディレクターが「ニューモダリティに関する創薬のリバーストランスレーショナルリサーチについて」と題し講演した。登壇者4人によるパネルディスカッションも行い、今後の協力について意見を交わした。
最後に、同院の小林修三院長が挨拶。「医学の基礎研究を臨床に応用するのは目の前の患者さんを救うため」と強調。隣接する環境を活用し、「ぜひ、お互いが思っていること、考えていることを発展させていきましょう」と呼びかけた。