徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)10月16日 月曜日 徳洲新聞 NO.1411 1面

福岡病院
脳・脊髄センター好調
脊椎脊髄疾患の手術件数倍増

「地域のニーズに応えていきたい」と吉田センター長(後列左) 脊椎(腰椎)に対する手術の様子

福岡徳洲会病院が4月に開設した脳・脊髄センターが好調だ。同センターは脳神経外科、脳血管内診療科、脳卒中内科、脊髄・脊椎診療科の4診療科で構成。4月から脊椎脊髄疾患の専門医が2人入職し、同疾患に対応する診療科として地域にアピールするために、「脳・脊髄センター」と名称変更した。

背景として、同院開院当初(1979年)は交通事故による重症頭部外傷や脳出血を主体とした脳卒中が多かったが、その後、交通事故件数の減少から頭部外傷が減り、また高血圧治療の改善から脳出血も減少、最近では高齢者や生活習慣病の増加から脳梗塞が増え、骨粗鬆症性圧迫骨折をはじめ脊椎脊髄疾患の増加も顕著になっていることが挙げられる。吉田英紀センター長は「時代に対応するため、とくに脊椎脊髄疾患への対応強化は重要です。当センターでは、4診療科が毎朝、合同カンファレンス(症例検討会)を行うなど連携し、シームレスな(切れ目のない)医療を展開しています」とアピールする。

同センターの柱のひとつは急性期脳卒中医療。同院は日本脳卒中学会から一次脳卒中センター(PSC)コアの認定を受けており、脳卒中患者さんを24時間365日受け入れ、血栓溶解療法(t-PA静注療法)やカテーテルによる血栓回収術などに対応できる体制を構築している。

もうひとつの柱は脊椎脊髄疾患への対応。同センターでは、昨年から骨粗鬆症性圧迫骨折で痛みが軽快しない患者さんに対して、経皮的椎体形成術であるBalloon KyphoplastyやVertebral Body Stentingを実施。椎間板ヘルニアには、内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術や椎間板酸素注入療法(ヘルニコア)なども行い、症例に合わせ、きめ細やかに対応している。脊椎脊髄疾患への手術件数は昨年が82件だったのが、今年は9月時点で130件を超えた。

リハビリテーションでは早期介入、早期機能向上を目指す。脳損傷の患者さんの車の運転再開を支援するためにドライブシミュレーターを導入、また麻痺症状に対してはロボットスーツ「HAL(Hybrid Assistive Limb)」を活用している。

吉田センター長は「地域に密着した病院として、また徳洲会の使命として、脳・脊椎脊髄疾患の患者さんの行き場がなくならないように、ニーズに応えていきたいです。これまでは遠方の病院で治療していた患者さんが、これからは地域で治療を完結できるようにしていきます」と意気軒高だ。

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