徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)09月25日 月曜日 徳洲新聞 NO.1408 1面

徳洲会国際心臓血管セミナーin葉山
国内外から650人超参加
創立50周年を記念し医徳が初の試み

医療法人徳洲会(医徳)は9月16 日から2 日間、湘南国際村センター(神奈川県)で「徳洲会国際心臓血管セミナーin葉山」を開催した。徳洲会創立50 周年を記念したイベントで、心臓血管治療に関する国際セミナーを主催するのは医徳初の試み。現地には163人が参集、WEBでは2日間延べ500人以上がライブ視聴した。セミナーでは10の国と地域から集まった心臓血管治療に携わる医師らが26演題を発表(うち徳洲会グループ9演題)。盛況のまま終了した。

「本質的な思いを共有できました」と浅井セミナー会長

セミナーのメインテーマは「Beyond the boundary toward the new stage!」(境界を越えて、新たなステージへ!)。主催者は東上震一理事長、実行委員長は大橋壯樹・副理事長(名古屋徳洲会総合病院総長)、セミナー会長は浅井徹・湘南鎌倉総合病院(神奈川県)心臓血管外科統括部長兼病院長補佐が務めた。

「徳洲会は世界の人に幸せを届けます」と東上理事長

冒頭、東上理事長が挨拶に立ち「徳洲会は世界の人に幸せを届けるために、医療施設を50年間つくり続けてきました。今回のセミナーで、徳洲会の取り組みを知っていただくとともに、討論を楽しんでください」と呼びかけた。プログラムは5つのセッションと会長講演で構成。

「充実したセミナーになりました」と大橋・副理事長

浅井セミナー会長は、「Innovations and Evolutions from Clinical Cardiovascular Practices」(心臓血管治療の革新と進化)をテーマに講演を行った。虚血性心疾患の治療の選択肢として、薬物療法やPCI(経皮的冠動脈形成術)、冠動脈バイパス手術を挙げながらも、人工心肺を使用しない心拍動下(オフポンプ)冠動脈バイパス手術の優位性を指摘。「人工心肺装置を使用する手術よりも輸血率が低く、低侵襲な手術です。心筋梗塞の予防効果もあります」とまとめた。

懇親会で参加者同士親交を深める

セッション1では、小林修三・湘南鎌倉病院院長が「Cardiovascular Events in Hemodialysis Patients : Challenging against Vascular Calcification」(血液透析患者の心血管イベント:血管石灰化への対策)をテーマに発表。「腎と心は双子の関係」として、腎障害の患者さんは心血管障害が多いなど、腎臓病と心疾患の関係を解説した。

参加者の熱気に満ちた会場

続いて登壇した齋藤滋・湘南鎌倉病院心臓センター長は「Advancement in Stent Therapy for Coronary Artery Disease」(冠動脈疾患に対するステント治療の進歩)と題し、自院の心臓センターを立ち上げた経緯や、論文発表などを通じ自院に知見を蓄えてきたことを説明。「世界一の病院をこれからも目指していきます」と締めくくった。

他のセッションでは米国、タイ、ベトナム、中国に加えて、これまで徳洲会が積極的に医療協力を進めているモンゴルやインドネシアの医師らも登壇。最新の心血管治療法や治療技術の教育方法など幅広いテーマで講演した。タイ王国中央胸部疾患研究所のタウィサック・チョティバタナポン医師は、初心者の医師でも容易な僧帽弁手術の技法について解説、高い関心を集めた。

徳洲会への期待の声相次ぐ

風光明媚な立地にある湘南国際村センター

会場では質疑応答も活発に行われ、「ロボット心臓手術の教育プログラムを徳洲会でつくってほしい」、「徳洲会がまだ医療協力していない国への支援を求めます」など、徳洲会に期待を寄せる声が多く聞かれた。懇親会も開き、参加者同士が親交を深める場面も見られた。

閉会の挨拶で、大橋・副理事長は「多くの方に参加いただき、充実したセミナーとなりました」と謝意を表した。

2日間を振り返り浅井セミナー会長は「心臓血管治療に携わる国内外の医師らの治療に対する本質的な思いを共有できる場になりました」と笑顔を見せていた。

他の徳洲会からの演題発表は次のとおり。

▼景山聡一郎・名古屋病院心臓血管外科医長「Surgical Results of Acute type A Aortic Dissection in Consecutive 1037 Patients」(連続した1037人の患者の急性A型大動脈解離の手術結果)▼野口権一郎・湘南鎌倉病院心臓血管外科部長「Surgical Strategy for Distal Arch Aortic Aneurysms」(遠位弓部大動脈瘤に対する手術戦略)▼中村喜次・千葉西総合病院副院長兼心臓血管外科主任部長「Advantages of Robotic Cardiac Surgery over Endoscopic Surgery」(内視鏡手術に対するロボット心臓手術の優位性)▼松本崇・湘南鎌倉病院循環器科部長「Mitral Valve Intervention by Trans-Catheter Experts」(カテーテル専門医による僧帽弁治療)▼畔栁智司・岸和田徳洲会病院(大阪府)副院長兼心臓血管外科主任部長「Development of MICS Program in Kishiwada Toku-shukai Experience」(岸和田徳洲会病院でのMICS)▼赤座愼・千葉西病院内科専攻医「Navigating FFR Angiography: Current Experience and Future Perspectives」(FFR血管造影のナビゲーション:現在の経験と将来展望)

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