徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)09月04日 月曜日 徳洲新聞 NO.1405 3面

徳洲会グループ
研究実施体制を強化
CRC関与や窓口設置を周知

徳洲会グループは医学の発展のため研究活動を積極的に推進、同時に「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(医学系指針)」など患者さんや被験者の保護を目的とした各種規則の順守を徹底するため、適切な研究実施体制の確保に向けた取り組みも強化している。具体的には、臨床試験センターや臨床研究に関する相談窓口のない病院への窓口設置を促進。さらにモニタリング・監査が義務付けられている侵襲・介入をともなう研究に関しては、研究協力者として臨床研究コーディネーター(CRC)を加えることをルール化し、周知・徹底に取り組んでいる。

「臨床研究の進め方などで不明点があればご相談ください」と歌田社長

徳洲会グループでは年間の臨床研究実施件数が、この5年間ほどで、それまでの約500件から約950件に大幅に増加。こうしたなか、研究を適正に遂行する体制強化を図るため、たとえば2020年には医学系指針の対象となる臨床研究を実施する際のSOP(標準業務手順書)を改訂。モニタリング・監査が義務付けられている侵襲・介入をともなう研究を行う場合、CRCの関与を求める規定を設けた。

CRCは、臨床研究や治験に関して適正かつ円滑な実施をサポートするため幅広い業務を担う専門職。徳洲会グループでは研修会の開催を通じ、計画的にCRCの育成とスキルアップに取り組んでおり、現在、約100人のCRCがグループ内で活動している。

この7月末にはグループの本部機能を担う一般社団法人から全病院に向け、あらためてCRCによる医療機関内での適切な研究実施支援体制の構築を呼びかける通知を発出、SOP順守の徹底を求めた。

事前に倫理審査委員会 承認と院長の許可必要

大規模病院を中心に徳洲会グループの半数近くの病院は、臨床試験センターを設置している。同センターは、臨床研究や治験にかかわる各種業務を担当する部門だ。臨床研究を始めるには、まずプロトコル(研究計画書)や倫理審査申請書、説明同意文書など書類を作成し、倫理審査を受ける必要があり、一定のノウハウを要する。臨床試験センターはそうした工程のサポートも行っている。

また、臨床試験センターは設置していないものの、職員向けに臨床研究に関する相談窓口を院内に設けている病院や、臨床試験センターも相談窓口も、ともに設置していない病院もある。

現在、約30病院で臨床試験センターおよび相談窓口を設置していないことから、これら病院でも、より円滑・適正に研究を遂行できる環境を整えるため、相談窓口の設置を促進している。窓口に相談した場合、治験や研究支援業務、各種倫理委員会の事務局運営などを行う未来医療研究センター(一般社団法人徳洲会の子会社)の研究支援部や研究審査部が必要に応じサポートする仕組みだ。

未来医療研究センターの歌田直人社長は「症例報告や業務改善を除く医学系研究に関しては、学会のポスター発表などでも事前に医学系指針に沿い、研究の内容に応じ共同倫理審査委員会をはじめとする委員会での承認と院長の許可が必要となります。こうした手続きを経ずに発表すると指針に違反してしまう可能性があります。目的が素晴らしくてもルールを逸脱すれば社会的信用の失墜につながってしまいます」と注意喚起。

続けて「プロトコルの作成など当社には研究支援のノウハウがあり、サポートすることができますので、ぜひ窓口を通じ、ご相談ください」と呼びかけている。

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