徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)08月14日 月曜日 徳洲新聞 NO.1402 4面

おくすりレクチャー
薬の名前
構造や有効成分などで使い分け

野村浩子 一般社団法人徳洲会 大阪本部薬局長

ひとつの薬なのに、包装材と処方箋の名前が異なるということはありませんか? 薬には「化学名」、「一般名」、「販売名」の3種類の名前があり、それぞれ役割が違うため使い分けているからです。

化学名は化合物の構造(化学構造式)を「3-Ethyl-(以下省略)」など言葉で表したものです。主に創薬段階で使われ、酸に強いなど薬の性質がわかります。

一般名は「アムロジピンベシル酸塩錠」など薬の有効成分を示します。WHO(世界保健機関)が定める医薬品国際一般的名称(INN)にのっとって命名され、製薬会社が厚生労働省に薬の製造販売承認申請をする際に決まります。異なる製薬会社でも、同じ有効成分をもつ薬は同じ一般名が付きます。現在、厚労省は一般名で処方箋を書くよう推進しています。またINNには「ステム」という薬理作用や薬効を示す分類があります。たとえば、「~ジピン」というステムが付いている薬同士は血管収縮作用を示すといったように、同じ分類であることを示します。

販売名は、製薬会社が薬の特徴や覚えやすさなどを考えて付けるもので、販売時に使います。一例を挙げると、インフルエンザ治療薬の「タミフル」は一般名の「オセルタミビル」とインフルエンザを組み合わせた販売名です。

薬の名前を一つひとつ正確に覚えるのは難しいです。正しく服用するためにも、お薬手帳を活用し、きちんと管理しましょう。

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