徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)08月14日 月曜日 徳洲新聞 NO.1402 1面
大隅鹿屋病院(鹿児島県)院長 中山 義博(なかやまよしひろ)
救急医療に活躍するドクターカー
当院は大隅半島のほぼ中心部に位置します。地元の鹿屋市内は鹿屋体育大学と海上自衛隊鹿屋航空基地があることで知られています。また、かつては特攻隊の飛行機が出撃した歴史もあります。気候は温暖で過ごしやすいものの、鉄道は走っておらず、車がないと生活は厳しい環境。空港まで車で約1時間半、鹿児島市内まではフェリーも使い約2時間かかることから“陸の孤島”とも呼ばれています。
当院は、半島内の医療機関では最大規模で、超急性期から慢性期まで幅広く診療しています。とくに救急は地域の中核を担っており、半島内唯一のICU(集中治療室)もあります。徳洲会グループのなかでも、入院患者さんのうち、救急から入院する患者さんの割合の高さは、つねに上位です。
しかし、当院だけで地域の全救急患者さんを診ることは難しいのも事実です。地域の医療機関と連携し、互いに得意とする診療科の救急患者さんを積極的に受け入れるなど、役割分担を図っています。毎月1回、各医療機関の院長が集まり、それぞれの医療体制や医師の状況などを情報交換しています。現在、救急受け入れも輪番制でできないか検討しており、これらの試みが、地域の医療崩壊を阻止するとともに、「医師の働き方改革」にもつながると考えています。
多くの救急患者さんを受け入れていることで、とくに若い医師にとって魅力的な職場に映っていると自負しています。救急科をはじめ、各診療科に丁寧に指導ができる医師を配置し、レベルの高い医師の輩出にも力を入れています。
ひとりでも多くの患者さんの治療を半島内で完結できるよう、日々精進しています。