徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)08月14日 月曜日 徳洲新聞 NO.1402 1面
徳洲会創設から50周年を迎えた節目の今年、グループの本部機能を担う一般社団法人徳洲会(社徳)に医療戦略室が発足した。徳洲会のさらなる飛躍を目指し、どのような活動を展開していくのか。担当理事である医療法人徳洲会の大橋壯樹・副理事長(名古屋徳洲会総合病院総長)に聞いた。
「1,400万症例に上る徳洲会のビッグデータ活用を」と大橋・副理事長
──医療戦略室を立ち上げた狙いは?
徳洲会は1973年に創設者の徳田虎雄・名誉理事長が“生命だけは平等だ”の理念を掲げてスタートした医療グループです。当時は救急のたらい回しなど社会問題となっていたことから、24時間365日、患者さんを断らない医療を実践し、とくに救急・急性期医療への取り組みを重視してきました。
その後、より多くの患者さん・利用者さんに貢献するため、離島・へき地をはじめ全国に医療・介護施設を展開しましたが、グループを拡大する過程で、心臓血管外科や循環器内科など各科で高度な医療を提供する体制も構築してきました。今では75病院を擁し、民間最大の医療グループに成長しました。
それぞれの現場では日々、職員の皆さんが真面目に懸命に多くの患者さんの診療にあたっています。そうした徳洲会の姿をもっと多くの方々に知っていただきたい。これにより徳洲会というブランドの向上や、医師や他職種のリクルートの促進など、徳洲会のさらなる発展につなげる狙いがあります。医療戦略室は創設50周年を迎えた徳洲会が、次の50年に向けて、さらに発展していくために必要なことを検討・発信することを目的としたチームです。
──具体的にはどのような活動を行っていくのですか?
活動内容や扱うテーマについて、とくに制限は設けていません。臨床、研究、教育のすべてが検討対象で、徳洲会の学術レベル向上、優れた医師の育成と獲得、安心・安全な医療の提供などに資する取り組みを行っていきます。
徳洲会は膨大な臨床データを蓄積・保有しているため、まずは徳洲会の臨床ビッグデータを発信したいと考えています。このビッグデータは徳洲会メディカルデータベース(TMD)に格納してあり、症例数は全国1,400万症例に上ります。医学研究を行ううえで“宝の山”と言えるものです。
グループ内外の先生方に研究のために利活用していただき、新たな知見やエビデンス(科学的根拠)の構築に寄与したい。そして、その成果を患者さんに還元していきたいです。徳洲会グループからも世界水準に引けを取らない多くの優れた論文が発表されることを期待しています。