徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)08月07日 月曜日 徳洲新聞 NO.1401 3面

AIやデジタル化の利点
「心温まる医療を実現」
中村NIBIOHN理事長

「AIは思いやりのある医療提供につながります」と中村理事長

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBIOHN)の中村祐輔理事長は「AI(人工知能)とデジタルで心温まる医療を!」をテーマに講演した。中村理事長はオーダーメイド医療(小紙500号参照)の実現やゲノム(全遺伝情報)解析などに長年携わり、2022年に同研究所の理事長に就任。18年から内閣府の「AIホスピタルによる高度診断・治療システムプロジェクト」のプログラムディレクターも務めている。

講演ではAIホスピタルシステムについて紹介。全国の医療機関や企業と連携して医療現場で使われている用語を集め、AIで関連性を分析、症状から該当する可能性の高い病名の候補を提案し、医師の診断をサポートするシステムなどを開発中だ。中村理事長は「初めて経験する疾患でも、正確な診断と適切な医療提供につなげられます」と展望するとともに、「いつでも、どこでも、誰でもが必要な医療を受けられることが、AIホスピタルシステムのゴール」とし、全国の徳洲会病院でAIの活用が進むことに期待を寄せた。

同システムを含め、医療でのAI活用、デジタル化のメリットを強調。救急車が病院到着時、車内での会話が自動テキスト化されていたり、治療の説明などをアバターロボット(遠隔操作するロボット)が担ったりするなど例を挙げ、医療者の負担軽減だけでなく、聞き逃しや見逃しなど人為的なエラーも減らせることをアピールした。

最後に「AIにできないのは人を思いやること」とし、「医療者はAIを上手に活用し、患者さんと触れ合う時間を確保して、人間性豊かな医療を目指してください」と呼びかけた。

途中、徳洲会との関係にも言及。勤務医の頃に徳田虎雄・名誉理事長と出会ったことや、最近では新型コロナ感染症の後遺症発症率などで徳洲会と共同研究を行う(小紙1399号参照)など、長年にわたり交流しているエピソードを披露する場面も見られた。

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