徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)08月07日 月曜日 徳洲新聞 NO.1401 1面

地域医療の魅力を伝える⑭
連携力で治療の幅拡大
島民による気配りを実感

与論徳洲会病院(鹿児島県)院長 高杉 香志也

当院がある与論島は鹿児島県ですが、鹿児島本土よりも沖縄本島のほうが近い場所にあります。サンゴ礁が隆起してできた島で、空と海の美しさ、そして、おじい、おばあの笑顔が魅力です。

島民の方々は、病院に過剰な負担をかけまいと配慮する意識が高く、いわゆる“コンビニ受診(緊急性のない軽症患者さんが日中に比べて空いている休日や夜間の救急外来に自己都合で訪れる行為)”はほとんどありません。なかには我慢しすぎて状態が悪化してから来院される方もいるため、体調が悪ければ、すぐに受診する重要性を、つねに伝えています。

島の沖合にある干潮時のみ現れる「百合ヶ浜」で、看護師らが記念撮影

また、患者さんやご家族との心理的距離が近いことから「自身もチーム医療の一員」という意識をもっている方も少なくありません。チームで対話を重ね、患者さんにとってベストな医療を追求できることは、とてもやりがいを感じます。

その一方で、人材も資源も限りがあるという課題があります。当院では徳洲会病院の医師らと密に連携し、治療の幅の拡大を目指しています。腎臓内科や呼吸器内科などは、他院の医師に協力いただくことで治療できるようになりました。また情報共有ツールを介した連携も行っています。

研修医が同ツールを使って相談をすると、徳洲会グループのさまざまな医師からアドバイスを受けられる環境もありがたいと思っています。研修医にとって安心感が得られ、医療の質を担保することにもつながります。

今後は離島・へき地の医師がオンラインで治療の悩みなど相談できるような体制を構築し、島の医療の質向上も目指したいです。

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