徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)08月07日 月曜日 徳洲新聞 NO.1401 1面
徳洲会放射線診断医師部会が発足した。同部会は徳洲会グループに所属する主に放射線診断医師で構成し、読影の効率化や品質向上、安全対策、情報共有、教育など各種活動への取り組みを通じ、患者さんへの貢献を目指す。診療部門では19番目の部会として設立。6月30日、第1回会合を開き、部会長の選出など部会体制や活動方針について話し合った。グループ病院の画像診断実施体制の現状を確認し、AI(人工知能)画像診断の利用状況、画像診断センターの設立などについても討議した。
読影体制の強化などで患者さんに貢献(左から4人目が藤田・常務理事)
会合には東上震一理事長が出席し、冒頭、「病理診断の分野でも部会が立ち上がっており、病理医の集団が力を合わせて徳洲会グループの病理診断の充実と発展のため活動しています。同様に、グループ病院の画像診断をサポートする仕組みの構築や、医師が少ない離島・へき地をはじめ臨床現場の大きな助けになるAI画像診断の有効活用など、活発な部会活動を期待しています」と呼びかけた。
次いで、藤田安彦・常務理事(鹿児島徳洲会病院総長)が挨拶。「徳洲会グループは全国に75病院を数えるまでに規模を拡大してきました。それにともないグループ内の放射線科医も増えましたが、これまでは、あまり横の連携がうまく取れていないことが課題でした。部会を立ち上げ、皆で知恵を出し合い、グループの画像診断体制の強化など推進していきたい」と抱負を語った。
続けて、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の寺田茂彦・先端医療センターセンター長補佐、大隅鹿屋病院(鹿児島県)の小林秀章・放射線科医長、南部徳洲会病院(沖縄県)の大兼剛・放射線科部長、葉山ハートセンター(神奈川県)の田尻宏之・放射線科部長、札幌徳洲会病院の片田竜司・放射線科部長、中部徳洲会病院(沖縄県)の具志堅益一・放射線科部長、徳洲会放射線部会の服部篤彦部会長(鎌ケ谷総合病院[千葉県]診療放射線技師)、同 関根聡・副部会長(湘南鎌倉病院放射線科技師長)、徳洲会インフォメーションシステムの尾﨑勝彦社長らが順に自己紹介を行った後、部会体制について討議した。
部会長には藤田・常務理事、副部会長には片田部長、小林医長を選出した。全国のグループ病院に在籍する放射線診断医師などを部会メンバーとして活動していく。部会設置の目的については徳洲会グループ読影環境の整備、読影の効率化、品質向上、安全対策、情報共有、教育とすることで一致。年1回の症例検討会、AI画像診断などの情報共有や利用検討・拡大、画像診断医の育成などに取り組んでいく予定だ。
この後、グループ内の現状を共有するため、藤田・常務理事が画像診断管理加算の取得状況などを紹介。グループ病院の過半が未算定であることから、算定の推進を今後の課題に位置付けた。
同加算を算定するには常勤の画像診断医師の在籍が必要だが、在籍していない場合でも、体制が充実した病院と連携して遠隔画像診断を実施するなど条件を満たせば算定可能だ。すでに徳洲会グループでは、鹿児島や沖縄の離島、北海道で、読影医師のマン パワー不足を補う支援目的で基幹病院が遠隔画像診断に取り組んでいる。今後、より効率的な遠隔画像診断のあり方を検討していく方針だ。
画像診断医師の不足から、読影を外部委託している病院が少なくない。そこで部会では、できるだけグループ内で読影に対応できるようにするため、“画像診断センター”の設立を構想。グループ病院から協力者を募り、業務時間外を利用して遠隔で読影を請け負ってもらう仕組みを想定している。あわせて、外部読影の効率化や品質確保にも注力する。
さらに、近年著しい発展を遂げているAI画像診断も議題に取り上げ、小林医長がグループ内のAI利用状況を紹介。現在、9病院が導入、2病院が準備中だ。使用感などについて意見交換を行った。画像診断機器の進歩にともない、1回の検査で読影する画像点数は増加傾向にあり、読影補助による業務負担の軽減などAI画像診断への期待は大きい。