徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)07月31日 月曜日 徳洲新聞 NO.1400 3面

岐阜県理学療法学会学術集会
過去最多の322人が研鑽
会長は辻・大垣病院副室長

第33回岐阜県理学療法学会学術集会が6月11日に大垣市内で開催され、大垣徳洲会病院(岐阜県)リハビリテーション科の辻量平副室長(理学療法士=PT)が会長を務めた。準備委員長など他の学術集会運営幹部も同科スタッフが担った。過去最多となる322人が参集し、「Re~再び・二たび~」を全体テーマに据え、知見を共有するなど研鑽を積んだ。

徳洲会の理念実践に努める大垣病院リハビリ科スタッフ(後列中央が辻副室長)

準備委員長は大垣病院の大竹卓実主任(PT)、総務局長を小出紘靖主任(PT)、総務副局長を平田光太郎副主任(PT)が担った。

学術集会は「運動器」、「脳血管・神経系」、「脳・地域・教育」のセッションで計26演題の一般演題(口演)と、計6演題のポスター発表に加え、特別講演、特別シンポジウムと盛りだくさんの内容。

「新型コロナウイルス感染症により学術活動は大きく影響を受け、オンライン化など運営方式の選択肢が増えました。このように環境が大きく変化しているなか、過去から学び新しいものを生み出すための“再考”が求められていると考え、全体テーマを決定しました」(辻副室長)

同院は2演題を発表。武仲聖PTが「受動的注意・病識の低下に対してアプローチを行い、短期間での注意機能の改善を認めた一症例~personal computer(PC)課題による受動的注意機能の評価~」をテーマに口演。症例は右被殻出血と診断された60代の男性患者さんで、歩行時に左空間認識の低下などが著明に出現。レーザーポインターを使用して左右ランダムに光を表示し、患者さんがそれを指差ししながら歩行する訓練を行った。その結果、受動的注意機能の改善を認めた。

渡邉祥子PTはポスターセッションで「継続したリハビリ提供のための多職種連携~通所リハ利用数増加にむけて~」をテーマに発表。同院回復期リハビリテーション病棟で週2回開催されるカンファレンスに通所リハビリスタッフを配置。多職種連携を密に行えたことにより、通所リハビリの利用者増加につながったことが示唆された。

特別講演では京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻先端理学療法学講座の黒木裕士教授が「再生医療と理学療法~大腿骨の骨壊死に対する臓器・組織移植と細胞移植に注目して~」と題して発表。顆部骨壊死に対する骨軟骨移植、骨頭部壊死に対する骨髄間葉系幹細胞を用いた骨再生医療を紹介し、それぞれに対する理学療法例に言及した。

特別シンポジウムでは、岐阜保健大学短期大学部リハビリテーション学科理学療法学専攻の小池孝康・特任講師らが臨床実習のあり方を巡って現状や課題を共有し議論を交わした。

盛況裏に終え、辻副室長は「科学的根拠に基づき治療成績の向上や業務改善など医学の発展に資する多数の発表があり、多くの参加者にとって実りのある学術集会となりました」と総括。続けて「徳洲会の“理念の実行方法”のひとつに、『医療技術・診療態度の向上にたえず努力する』という一文があります。当院リハビリ科スタッフ一同、理念の実践に努めてきました。そうした日頃の取り組みを通じた地域への継続的な貢献が評価され、会長をはじめ複数の要職を任されたことにつながったと考えています。これからも地域のリハビリを牽引していけるように頑張りたい」と意気軒高だ。

PAGE TOP

PAGE TOP