徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)07月31日 月曜日 徳洲新聞 NO.1400 2面
体重を過度に気にするあまり、食べる量を極端に減らす症状を神経性やせ症(拒食症)、一度に大量に食べ、一方で体重増加を防ぐため嘔吐や下剤乱用、絶食、過度な運動をする症状を神経性過食症(過食症)という。過食後の代償行動がない過食性障害も含め、これらは摂食障害と言われる疾患だ。拒食症は低体重・低栄養から生命に危険が及ぶこともある。拒食症や過食症の95%は女性といわれ、若年層に多いが、福岡徳洲会病院心療内科・内分泌・糖尿病内科の松林直顧問は「どの年代の方でも、ふとしたきっかけで発症し得ます」と警告する。きっかけとなるのは、見た目へのこだわりやアスリートの体重制限、いじめ、精神的ストレスなどだ。
治療は、極度に低体重の時は入院して生命の危険の回避に努めるが、基本的に心の問題になるため、「なぜやせたいと考えたか」、そのバックグラウンドを家族や身近な人とともに探りつつ、長期にわたってサポートしていく。過食症は大量に食べた後の代償行動により、食べても太らず体重は平均値で、家族を含めた周囲が気付かないケースもある。「摂食障害は社会生活への影響も大きい疾患で、食行動に困っているなら正常体重でも受診対象です」と松林顧問は言う。