徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)07月31日 月曜日 徳洲新聞 NO.1400 1面

地域医療の魅力を伝える⑬
認知症治療に注力!
離島の人材不足解消へ挑戦

笠利病院(鹿児島県)院長 岡進(おかすすむ)

当院は奄美大島の北部に位置し、奄美空港から車で約5分の笠利町にある89床の療養型病院です。東京や大阪など主要都市への直行便があり、利便性が高いです。奄美市は合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数の推定値)が1.88(2013~17年平均、全国平均1.43)と高く、子育てしやすいと言われています。

その一方で、市の高齢化率は全国平均より高く、当院の患者さんの多くは高齢者です。認知症ケアに注力するとともに、入院中は体操や散歩などで体を動かし、服薬コントロールを行い、生活リズムを整え寝たきり状態にならないように努めています。訪問診療や訪問看護なども積極的に行い、退院後の在宅生活もサポートしています。

病院の屋上からオーシャンビューを望む

最近は看護師採用が比較的安定しています。当院のブログなどで仕事やプライベートが充実している様子を発信するなど、応募につながる工夫が奏功しているのかもしれません。なかには他の離島病院に協力で行く看護師もいるほどです。

今後は、糖尿病の予防に力を入れていきたいと考えています。奄美大島は黒糖の産地であり、おやつ代わりに黒糖を食べる習慣があるせいか、高齢になってから糖尿病を発症する方を今まで数多く見てきました。医療講演などで糖尿病予防の啓発活動をしていきます。

同時に、離島・へき地の医療人材を充足させる取り組みにも挑戦していきたいです。1~2年単位で徳洲会グループの離島・へき地病院で働き、その後は元の勤務先に戻るシステムを築き、人材不足を補うとともに、離島・へき地で働いた経験を都市部の病院で生かしてほしいと切望しています。

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