徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)07月31日 月曜日 徳洲新聞 NO.1400 1面
研究支援により患者さんへの貢献を期待する竹内・名誉院長(右)と田村事務長
館山病院(千葉県)は、千葉大学大学院医学研究院整形外科学の「先端脊椎関節機能再建医学講座」を支援している。同講座は、寄附講座(民間の企業や組織からの寄附金を財源として、学内に研究組織を設ける制度)として同大学が2018年に開設。さまざまな整形外科分野の基礎となる研究を実施している。
同院は、整形外科の非常勤医として同大学医学部附属病院のサポートを受けるなど縁があったことから、医療技術向上への貢献や大学との関係強化などを目的に、同講座への寄附を決定、4月に開始した。同講座の指導医らが研究活動の一環で同院に常勤派遣され外来診療と手術を行っている。「新たな治療法の開発につながる研究を支援することは、患者さんのためにもなります」と同院の竹内信一・名誉院長は講座支援の意義を語る。
同院や地域にとってもメリットも大きい。今まで対応していなかった手外科の手術が行えるようになるなど、地域医療が拡充。田村秀禎事務長は「月~土曜日まで に常勤医師が派遣されるようになったこともあり、診療日数が増加、1日当たりの通院患者さんも増えています」と強調する。さらに手術にかかわる同院のコメディカルにとっても、新しい手技を経験する機会につながり、モチベーションアップになっている。
外科手術数も増えており、同院は今後、整形外科専門研修連携施設の要件「膝・股関節含めて年間手術件数100例」の達成を見据える。竹内・名誉院長は「専門医の育成にもつなげたいですし、こうした研究開発に携わることで、常勤で働く医師が増えることも願っています」と期待をあらわにしている。