徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)07月24日 月曜日 徳洲新聞 NO.1399 1面
沖永良部徳洲会病院(鹿児島県)院長 玉榮 剛(たまえつよし)
沖永良部島は奄美大島と沖縄本島の中間に位置し、星空の美しさが魅力の島です。レジャーでは、とくにケイビング(洞窟探検)が高い人気を誇ります。「えらぶゆり」という品種に代表されるユリの栽培も盛んで、空港の愛称も「えらぶゆりの島空港」となっています。
当院は島唯一の総合病院です。島内にある5カ所の診療所医師とは、日々、SNSで情報共有を図っており、コロナ禍でもスムーズな役割分担により、島の医療体制を堅持できました。
純白の花色と、ほのかな香りで知られる「えらぶゆり」
課題は島外搬送です。沖縄本島に身内がいる島民も多く、搬送先に沖縄の医療機関を希望する方が少なくありません。しかしながら鹿児島県にある当院の場合、第1選択は奄美大島や鹿児島本土からのヘリとなり、奄美大島や沖永良部島からは、さらに遠方の鹿児島本土まで搬送することもあります。当然、患者さんやご家族の心理的・時間的・経済的負担が大きくなります。
そのため現在、島外搬送になっている疾患の半分以上を島内で診られるようにすることを目指しています。とくに周産期医療や多発性外傷の対応力強化のため、医師の確保にも力を入れ、常勤医師は8人にまで増えました。また当院は外科専門研修プログラム(消化器外科)を実施しているので、島の魅力を知り、島で働くことを希望する医師が増えることも期待しています。
また、徳之島徳洲会病院や与論徳洲会病院、喜界徳洲会病院など、同じ奄美群島にある小規模病院との連携も強化したいと思っています。自院にない診療科を互いにサポートして、各島の医療が充実し、島外搬送を減らしたいと考えています。