徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)07月10日 月曜日 徳洲新聞 NO.1397 2面

病気のはなし125
原因は脱水だけではない
ドライマウス

ドライマウスは唾液の分泌が減り、口腔内が乾燥した状態を指す。口の中がネバネバして気持ち悪いだけでなく、唾液のもつ自浄作用が低下し、う蝕や歯周病のリスクが上がったり、口臭が強くなったり、唾液による口腔粘膜の味蕾への刺激が減り味覚障害が起こったり、義歯が安定しなくなったりと、さまざまな弊害が出る。

原因は水分不足(脱水)だけではない。加齢による唾液腺の萎縮、自己免疫疾患のシェーグレン症候群や糖尿病の一症状、向精神薬や睡眠薬など薬剤の副作用、脳血管障害などで咀嚼力が低下したことによる唾液腺周りの筋力低下などがあり、「単に水分を摂れば必ず治るというものではありません」と武蔵野徳洲会病院(東京都)の吉澤泰昌・歯科口腔外科部長は注意喚起。

原因を特定できたとしても、疾患の一症状や加齢など原因の除去が困難である場合が多く、ドライマウスの治療は基本的に対症療法だ。具体的には①水分を摂る、②うがいをする、③唾液腺マッサージを施行、④ガムや飴で唾液腺を刺激する――の4点。③は耳下腺および顎下腺のあたりを皮膚の上から圧迫刺激する方法で、自身で行うこともできる。

吉澤部長は、高齢者は唾液不足で口腔内が不衛生になることで、誤嚥性肺炎のリスクが増加することを指摘し、「根治は難しいことも多いですが、症状軽減は重要です。ご自身や被介護者がドライマウスかなと思われたら、一度、歯科口腔外科受診を」。

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