徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)06月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1394 4面
共愛会病院(北海道)の佐藤雄治・歯科口腔外科部長は、第32回日本有病者歯科医療学会総会・学術大会で優秀発表賞を受賞した。徳洲会グループからは、ほかに2演題の発表があった。
佐藤部長(左)と共同演者の松田光平医長
佐藤部長のテーマは「高齢者の顎関節脱臼に対する静脈麻酔下の関節結節削除術」。高齢化にともない顎関節脱臼の発症頻度が増大するなか、認知症患者さんには、その管理に苦慮することが多いと説明。同科では、頻回の顎関節脱臼を生じる高齢の認知症患者さんなどに対し、通常は全身麻酔下で行う関節結節削除術を静脈麻酔下で施行し、良好な結果を得ている。
そこで2011年から11年間に同手術を施行した6症例に関し、管理方法や手術方法、経過を説明。「静脈麻酔下でも安全に行うことができ、有用です」とアピールした。
優秀発表賞を受賞した佐藤部長は「地道にやってきた治療が評価され、うれしく思います。恐らく同様の症例に苦慮している先生は多いと思いますので、報告できて良かったです。今後も患者さんに合わせた治療を選択し、貢献していきたい」と意気込みを話した。
東京西徳洲会病院の長太一・歯科口腔外科医長は「進行性核上性麻痺患者に生じた陳旧性両側性顎関節脱臼の1例」と題し発表。神経疾患に由来する陳旧性顎関節脱臼は、保存的治療が一般的であるなか、外科的治療も選択肢のひとつであると報告した。
宇治徳洲会病院(京都府)の水元大貴・歯科口腔外科医師は「抜歯時に大動脈解離を生じた1例」をテーマに発表。速やかに救急科医師や心臓血管外科医師と連携を図った経過を説明し、救命に至り、術後経過も良好であることを強調した。