徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)06月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1394 3面
北谷病院(沖縄県、療養病床54床)は好調な業績が続いている。徳洲会グループ入り(2018年12月)当初と現在を比べると、外来、入院ともに患者数や単価が大幅アップ。そこには地域のニーズに愚直に応える姿勢と、積極的にチーム医療を推進する姿があった。
(左から)平安山事務長、金城院長、喜納・看護責任者
看護師とリハビリセラピストが日々、情報共有をしながら介入
北谷病院は1982年の開設以来、地域密着型の病院として、患者さんのニーズに応えてきた。徳洲会グループ入りした後は、車で約10分という近距離にある中部徳洲会病院(沖縄県)と連携を強化、後方支援の役割を担うと同時に、北谷病院の患者さんにも安心感を与え、より地域の信頼を得た。
金城進院長は「地域での当院の立ち位置を理解し、地域の方々の“かかりつけ医”としての役割を全うしています。徳洲会グループに入る前から“断らない医療”を実践していますが、こうした積み重ねが好成績につながったのだと思います」と説明。平安山良仁事務長は「金城院長は約40年にわたり地域医療に貢献してきました。地域で培ってきた信頼に、徳洲会グループのノウハウが合わさり、実を結んだのだと考えます」と語気を強める。
外来・入院患者数の大幅アップに寄与した要因のひとつが、新型コロナへの対応だ。同院は20年11月から診療・検査医療機関として県から指定を受け、発熱外来を開始。当初は週3日だったが、地域からの要望により月曜から土曜まで毎日行うことで、患者さんが急増した。21年3月には、県からコロナ治療後の患者さんの受け入れ病床として5床の許可を得て運用(23年4月に終了)。21年5月にはワクチン接種も開始した。
一方、同院の入院患者さんは、医療必要度の高い「医療区分3」の割合が高いのが特徴。高齢で看取りのニーズが高く、つねにモニター管理が必要なケースが多い。喜納幸美・看護責任者は「患者さんの医療区分の変化は、看護師から医師へ提案することもあります。患者さんに必要な医療をリアルタイムに提供できるように、患者さんをよく観察し、自ら考えて動くように意識しています」と明かす。
満床を維持する取り組みとして、中部徳洲会病院や介護老人保健施設おきなわ徳洲苑と入退院調整会議を毎週実施。急性期病院からの患者受け入れを進めるなか、在宅復帰を目指したリハビリテーションも強化しており、喜納・看護責任者は「セラピストが率先して、医師にリハビリ内容を提案しています。ADL(日常生活動作)が向上し、自宅や施設への退院につながったケースも増えています」とアピールする。
今後は、回復期の患者さんも受け入れ在宅復帰支援をしていく必要があると考え、地域包括ケア病床の一部転換を計画。これに先立ち、22年8月に在宅療養支援病院を取得、在宅医療の充実にも力を入れている。
平安山事務長は「経費削減はあまり考えておらず、建物が古いので、修繕をしっかりと行い、職員が働きやすい環境をつくるようにしています」と強調。「事務職を含めた多職種の頑張りが、チーム医療を活性化し好業績につながっています。コロナへの対応は落ち着くと思いますが、これからも病院一丸となり、地域のニーズに応えていきたいです」と意気盛んだ。