徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)06月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1394 1面
石垣島徳洲会病院(沖縄県)院長 池村 綾
石垣島は沖縄本島より台湾のほうが近い八重山諸島にあります。起伏に富んだ島で、県内最高峰の於茂登岳は登山客に人気です。また竹富島や与那国島、西表島など周囲にある大小さまざまな離島への日帰り旅行を楽しむ方も多くいらっしゃいます。
当院には認知症の方が多く入院しています。認知症対応が求められることから、強化の一環で5月に認知症ケア専門士の資格をもつ看護師と認知症サポート医である私を中心に、薬剤師やリハビリ専門職、MSW(医療ソーシャルワーカー)らと認知症ケアチームを発足。多職種がかかわることで、さらに適切な治療の提供を目指しています。処方薬の調整やリハビリテーションなどを行った結果、容態が落ち着き、当初は施設入所の予定だった方が、ご家族の希望もあり自宅に帰ることができたケースもあります。
八重山諸島の玄関口である石垣島。病院からは見事なオーシャンビューが望める
島の医療の課題のひとつとして透析医療があります。島内で透析治療ができる医療機関は当院を含めて3カ所しかなく、新規の透析患者さんを引き受けることが厳しい現状です。そのため、糖尿病や高血圧の方など透析予備群の方には自己管理の徹底を指導するなど、予防活動に力を入れています。島の医療資源は限られるため、予防に力を入れ、健康な身体づくりに励んでいただくことで、島の医療を維持できるように努めています。
その一方で、徳洲会グループから多くの医師に応援いただき、さまざまな疾患治療が可能になっています。限られた条件の下でも、できることは多くあります。今後は介護にも力を入れ、島民の方々が、より長く島で生活し続けられるよう支えてまいります。