徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)04月17日 月曜日 徳洲新聞 NO.1385 4面

静岡病院
血液透析中の患者さんへ運動療法
ADL改善やフレイル予防に効果!

静岡徳洲会病院は血液透析中の患者さんに対する運動療法を実践している。透析患者さんは運動不足による活動量の低下から筋力低下を招きやすく、ADL(日常生活動作)の維持・向上やフレイル(身体・認知機能の低下)予防が課題だ。そこで同院は透析中、ベッドに横になったまま実施できるリハビリテーションの手本動画を作成。理学療法士(PT)の補助の下、看護師による見守りも行うなかで、患者さんは動画を見ながら運動を行う。昨年11月の開始以降、患者さんの歩行速度の上昇が見られるなど成果が上がっている。

ベッドで横になりモニターを見ながらリハビリを実施(写真は職員が模擬患者となったイメージ)

透析患者さんへの運動指導に関しては2022年度診療報酬改定で「透析時運動指導等加算」が新設された。これは、エビデンス(科学的根拠)のある医療行為として国が認定したことを意味する。

透析用のベッドサイドに、患者さんが寝たまま見ることができる角度でモニターを設置、動画を映し出す。40台中10台のベッドに設置した。動画ではPTが実際に身体を動かし手本を示している。基本的に自立した生活を送り、日常生活の維持にはリハビリの実施が望ましい患者さんが対象。現在は火・木・土曜の午前中に行っている。

同院リハビリテーション科の杉山基一郎副主任(PT)と絹川典PTは「透析患者さんが無理せず行えるトレーニングを考えました。当初は動画の動きについていけるか不安でしたが、どの患者さんも遅れることなく実施できています」と様子を語る。

同院はこれまでも「疾患別リハビリテーション」の範囲内で、透析患者さんへの運動指導を行ってきたが、「各種疾患に関するイベント(治療実施や増悪など)が生じた場合でなければリハビリ介入が難しいのが実情でした。しかし加算の新設で、90日間の制限はありますが、イベントがなくても介入できるようになり、患者さんのADL維持・向上を目指しやすくなりました」(梅坂恭平主任・PT)。

動画にまとめたリハビリプログラムはストレッチ、筋力トレーニング、有酸素運動で構成。絹川PTは「バイタル(生命兆候)が安定する透析開始後30分程度経過してから運動を開始します。動画の長さは30分で、全身、上下肢体幹を対象に、『腎臓リハビリテーションガイドライン』に則したプログラムで構成。開始後1カ月ごとに評価する歩行速度が、多くの患者さんで上昇するなど成果が出ています」と説明。

透析室の責任者を務める臨床工学科の志賀正直技士長(臨床工学技士=CE)は「徐々に元気になる患者さんの姿を見ることができ、とてもうれしいです。『歩いて買い物に行ったよ』などと話しかけていただく機会も増えてきました。筋力低下は生命予後に悪影響を及ぼすので、今後も安全性を確保しながら推進していきたい」と抱負を語る。

動画の撮影・編集など制作を担ったのは地域連携室 広報の小林悟史副主任。「患者さんが飽きずに続けられるように、定期的に動画内容の見直しを行っています。今後も院内のコンテンツづくりに協力していきたい」と意欲的だ。今回の取り組みはリハビリスタッフやCE、看護師、事務職員による多職種連携で成り立っている。

患者さんからは「30分の運動は疲れますが、ずっと寝ているよりも体を動かすことができて気持ちがいいです」と好評だ。

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