徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)04月03日 月曜日 徳洲新聞 NO.1383 3面

坂井・大阪赤十字病院院長
ロボット支援手術の将来に期待
治療成績データ収集・分析が要

ロボット支援手術のメリットや課題を解説する坂井院長

大阪赤十字病院の坂井義治院長は「ロボット支援手術の現状と将来展望」をテーマに講演。坂井院長は消化器外科専門医で、ロボット支援手術を10年以上手がけている。

坂井院長は内視鏡下手術支援ロボット「ダヴィンチ」、初の国産手術支援ロボット「hinotori」など、世界的にロボット支援手術が拡大・発展している状況を指摘。国内では前立腺がんに対する手術から保険診療の適用が始まり、手術数が増加、浸透している様子を説明した。

ロボット支援手術のメリットとして「手術精度の向上」を挙げ、「3Dや拡大した画像を用いて肉眼では見えない部位まで確認しながら作業ができます」と、実際の手術映像を示しながら解説した。手術に携わるスタッフ全員が、手術中に同じ映像を共有して作業できることも、スムーズな手術につながると強調。

また、教育ツールとしての活用にも期待。ロボット支援手術は手術の様子をデータ化しているため、VR(仮想現実)技術などを用いて、ナレーションを聞きながら過去の手術を疑似体験できることを紹介。「手術室を訪問し、先輩医師の手元を見て学ぶという従来の手術教育の方法から変わりつつあります」と示した。

さらに、現在はデータ化した熟練者の手術時の手の動きとAI(人工知能)を組み合わせ、手術中に、より適正な処置が行えるようにAIが手の動きをナビゲーションする技術も開発中と明かした。

その一方でロボット支援手術の課題も示唆。がん治療では放射線治療や免疫療法など非外科治療が発展していること、一部の疾患以外ではロボット支援手術と内視鏡下手術の保険点数が同じであることなどを挙げ、「今後、ロボット支援手術を一層広めていくには、他の治療法と比べ、どの程度治療成績が良いのか、データを集めて分析し、優位性を示すことも重要です」と訴えた。

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