徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)03月27日 月曜日 徳洲新聞 NO.1382 1面

『手術数でわかるいい病院2023』
徳洲会病院が多数ランクイン
千葉西病院は心カテ14年連続全国1位

手術数や治療件数に基づく独自の病院ランキングを掲載している『手術数でわかるいい病院2023』(朝日新聞出版刊)に、多数の徳洲会病院がランクインした。同書は全国4,000超の医療機関にアンケート調査を行い、2021年の年間実績をもとに疾患・治療法別に全国ランキングと地方別ランキングを紹介する病院選びのガイドブックだ。今年も心臓病やがんなど幅広い分野で徳洲会病院が収載。なかでも千葉西総合病院は心カテーテル治療数が14年連続で全国トップだ。

「コロナもコロナリーも一番を目指す」

朝日新聞出版刊、1,320円

創刊21年目を迎える同書が、手術数・治療数をいい病院選びの指標とするのは「一定数の手術をおこなっていることが、医師の技術力や経験値を裏付け、スタッフの習熟度につながる」ためであり、「手術を多く経験していれば、それだけ難しい症例やトラブル対応も経験していると考えられ」るからだ。

心臓病、脳の病気、各種がん、骨・関節の病気、眼の病気、その他疾患に関して、4,000超の医療機関に約2万6,000枚の調査用紙を配布、22年9月から23年1月にかけて調査を行った。同書は23年3月発行。全国ランキングはトップ40、地方別ランキングはトップ5~30を掲載。

心臓病のカテゴリーのうち「心カテーテル治療」では、千葉西病院が14年連続で全国1位を達成。治療数は前年の3,226件を上回る3,264件。このうち、緊急度の高い急性心筋梗塞などに対する緊急治療でも737件とトップだ。コロナ禍でも前年の記録を塗り替え続けている。

14年連続心臓カテーテル治療数全国1位を支える千葉西病院のカテーテルスタジオ

「当院は“コロナ(感染症)もコロナリー(冠動脈疾患)も一番を目指す”という方針を掲げて診療を行っています」と強調するのは同院の三角和雄院長。

「新型コロナに感染した患者さんの入院を受け入れなければ、地域医療を担う病院として存在意義はありませんし、一方で、心臓に疾患を抱える患者さんは、救急をはじめ待ってはくれません。両立が肝要です。患者さんが安心して当院を受診し、心カテを含む通常診療を維持しながら、新型コロナの患者さんも受け入れるために、ICU(集中治療室)機能があり人工透析なども可能なCIWS(独立型伝染性感染症病棟)を20年5月に開設し、運用を継続しています。これにより新型コロナとそれ以外の患者さん・スタッフが交わることなく、感染リスクの低減に役立っています」(三角院長)

千葉西病院のほかにも、徳洲会グループでは7位に湘南鎌倉総合病院(神奈川県)、15位に宇治徳洲会病院(京都府)、21位に八尾徳洲会総合病院(大阪府)、36位に札幌東徳洲会病院、40位に野崎徳洲会病院(同)が入った。地方別では岸和田徳洲会病院(同)、福岡徳洲会病院、大隅鹿屋病院(鹿児島県)もランクイン。

冠動脈バイパス手術や心臓弁膜症手術、人工血管置換術など「心臓手術」でも、千葉西病院は全国4位に入った。手術数は618件で前年比74件増となり、ランキングも前年の5位からひとつ順位を上げ4位。このうち90件はロボット手術で、これは心臓弁膜症に対するロボット手術数の全国ランキングでも3位という成績だ。同院は手術支援ロボットダヴィンチを活用したMICS(低侵襲心臓手術)を積極的に手がけている。

21位には名古屋徳洲会総合病院、23位に岸和田病院、26位に湘南鎌倉病院が名を連ねた。地方別では札幌東病院、八尾病院、宇治病院、松原徳洲会病院(大阪府)もランクイン。名古屋病院は千葉西病院と同様に心臓弁膜症のロボット手術数で全国12位に入った。

「不整脈治療」では湘南鎌倉病院が771件で全国6位。地方別では千葉西病院、宇治病院も登場。主な治療法は、不整脈の発生源となる心臓内の部位を、高周波などにより焼灼して根治を目指す心筋焼灼術を行う。

「ペースメーカー治療」でも湘南鎌倉病院は全国12位と健闘、千葉西病院が32位、札幌東病院が37位に食い込んだ。地方別では福岡病院が上位に入った。

がん治療などでも続々

がんのカテゴリーでも多数ラインクイン。「胃がん内視鏡治療」では岸和田病院が全国14位に入った。ESD(内視鏡的粘膜下層剝離術)の治療数をもとにランキングを作成しており、同院は207件という実績だ。これは近畿地方では2番目に多い。ESDは、がん細胞の浸潤が粘膜下層にとどまる早期の消化器がんを、電気メスで内視鏡的に切除する手技を指す。

同院は「大腸がん内視鏡治療」でも173件で14位にランクイン。地方別ではトップで、宇治病院も名を連ねた。

他のがん治療に関しても、多数の徳洲会病院が地方別でランクインした。「肺がん手術」で和泉市立総合医療センター(大阪府)が134件で15位、「食道がん手術」で岸和田病院が24位、「肝がん治療」で八尾病院が22位、和泉医療センターが29位、「大腸がん手術」では151件の岸和田病院が27位、「前立腺がん治療」で湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)が153件で27位、南部徳洲会病院(沖縄県)が129件で4位に入った。

また、がん治療のうち、がん薬物療法とがん放射線治療に関しては一定の基準を満たした施設を都道府県別に掲載。

「がん薬物療法」(免疫チェックポイント阻害薬の投与実患者数)では、札幌東病院、仙台徳洲会病院、千葉西病院、湘南鎌倉病院、湘南藤沢病院、八尾病院、和泉医療センターが収載。免疫チェックポイント阻害薬は、従来の抗がん剤や分子標的治療薬と異なる機序で抗腫瘍効果を得るのが特徴。免疫細胞の働きにブレーキをかけるがん細胞の作用を防ぎ、免疫細胞を活性化することでがん細胞を攻撃する。

「がん放射線治療」には湘南鎌倉病院、宇治病院、和泉医療センター、南部徳洲会病院が登場した。放射線治療に関しては「IMRT(強度変調放射線治療)実施実患者数」が多い病院の全国トップ20を紹介しており、湘南鎌倉病院が378件で12位。IMRTは、がんの形状に合わせた放射線照射を行うことで周囲の正常組織への影響をできる限り減らし、副作用を抑える技術。さらに、小さながんに集中して高線量の放射線を照射する「SBRT(体幹部定位放射線治療)実施実患者数」が多い病院として、南部徳洲会病院が全国6位に入った。

脳の病気のカテゴリーでは、脳梗塞治療や脳動脈瘤治療(破裂・未破裂、開頭・脳血管内)を対象とする「脳血管疾患治療」で、岸和田病院が地方別の16位にランクインした。

骨・関節の病気のカテゴリーのうち、「人工関節置換術・股関節」で湘南鎌倉人工関節センター(神奈川県)が605件で全国5位。「首・腰の手術」では湘南藤沢病院が268件で地方別の23位に入った。

このほか、「網膜硝子体手術(眼の病気)」、「子宮筋腫・子宮内膜症」、「難聴・耳鳴り」、「人工透析(腹膜透析)」に関しても、一定の基準を満たした医療機関を掲載、多数の徳洲会病院の名前が見られた。

「網膜硝子体手術(眼の病気)」では千葉西病院、吹田徳洲会病院(大阪府)、八尾病院、福岡病院、「子宮筋腫・子宮内膜症」では湘南鎌倉病院、吹田病院、福岡病院、「難聴・耳鳴り」では武蔵野徳洲会病院(東京都)、「人工透析(腹膜透析)」では山形徳洲会病院、庄内余目病院(山形県)、千葉西病院、東京西徳洲会病院、湘南鎌倉病院、中部徳洲会病院(沖縄県)が登場している。

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