徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)03月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1381 1面

TMAT
トルコ南東部地震
隊長インタビュー㊦
當麻・八尾病院部長
診療を現地に引き継ぐ
やけどの処置法アドバイス

トルコ南東部地震に対しリレー形式で合計23人の隊員を派遣し、災害医療活動を行ったNPO法人TMAT(徳洲会医療救援隊)。本隊第2陣は2月19日にトルコ入りして第1陣から活動を引き継いだ後、27日に撤収、28日に帰国した。今回は隊長として第2陣を率いた八尾徳洲会総合病院(大阪府)の當麻俊彦・整形外科部長に活動の様子などを聞いた。

EMTCCに活動終了報告を行う當麻部長(右)、野口幸洋・事務局員兼ロジスティクス統括(左から2人目) 診療室内でX線画像を確認する當麻部長(右) 撤収時にバーチェ・リハビリ病院のスタッフらと記念撮影

本隊第2陣は出発時に撤収作業を行う可能性が高いと聞かされていました。そのため19日に現地入りした時から、スムーズに活動を終えることを念頭に置いていました。また、テレビ局による密着取材もあり、医療以外でのトラブル予防に気を張っていました。幸いなことに先遣隊や第1陣が現地の方々と関係性を築いてくれたおかげで、大きな問題なく活動を終えることができました。

個々の隊員のコミュニケーション能力が高く、患者さんや現地の人たちに、うまく溶け込んでいたことも、隊長として大変心強かったです。

23日には、仮設診療所テントがあるバーチェ・リハビリ病院の建物の耐震性の調査が終わり、安全性が確保されたため、活動拠点をテントから院内の診療室の一室に移しました。診療室内は手狭だったこともあり、訪問診療チームと診療室チームに分かれて活動しました。その頃には同院を含めた地元の医療機能が回復し始め、十分対応できる見とおしがついたので、27日に活動を終え、撤収することが決まりました。

活動期間中のTMATの総診療数は561人でした。

撤収前にTMATが治療した患者さんを同院に引き渡しました。これまでの診療内容を伝えるとともに、今後の診療計画も確認し、撤収前後で診療内容が大きく変わらないように引き継ぎました。たとえば、現地のやけどの処置は、消毒をしたら患部にそのままガーゼを巻くため、ガーゼ交換時に痛みが生じやすい状態でした。TMATではラップでやけどの表面を覆う処置法を採用していたので、現地にある食品用ラップでも同様にできることを伝え、痛みが少ない治療を継続できるようアドバイスしました。

最後に、TMATが医療活動をするうえで尽力いただいたトルコ保健省の出先機関や、WHO(世界保健機関)の緊急医療チーム調整本部(EMTCC)など関係各所に、活動報告レポートの提出と活動終了の報告を行いました。関係機関と良い協力関係を築くことができたからこそ、今回の活動を無事に終えることができたのだと思います。

今後のTMATの課題としては次世代リーダーの育成でしょう。先遣隊や本隊の隊長となる人材がいなければ、TMATの活動は継続できません。次のリーダーの育成に力を注いでいきたいです。

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