徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)03月13日 月曜日 徳洲新聞 NO.1380 4面
小規模多機能型居宅介護は2006年度介護報酬改定で創設された介護保険サービスです。「通い」を中心として、利用者さんの状態や希望に応じ、「訪問」や「泊まり」を組み合わせたサービスを提供する仕組みです。介護が必要となった高齢者の方々が、できる限り住み慣れた自宅での生活を続けられるようサポートするのが趣旨で、地域包括ケアシステムの一角を担います。小規模多機能ケア ポプリ(茨城県)の竹村浩之所長が解説します。
竹村浩之所長 小規模多機能ケア ポプリ(茨城県)
小規模多機能型居宅介護は通所介護(デイサービス)、訪問介護、ショートステイ(短期入所)の3つの介護保険サービスのすべてを、同一施設で必要に応じ組み合わせて提供できるのが大きな特徴です。施設に在籍しているケアマネジャーが、利用者さんやご家族の希望、状態をふまえ、ケアプランを作成し、サービスの利用を調整します。サービスを受けられるのは、介護認定(要支援を含む)を受けた方々です。
地域に根差した小規模の施設であり、各サービスを同じ施設の職員が実施するため、ケアの連続性が保て、利用者さんと職員が“顔なじみ”となり、信頼関係を築きやすく安心してサービスを受けられます。地域密着型サービスであり、お住まいの市町村にある施設のみ利用が可能です。
デイサービスのレクリエーションを楽しむ利用者さん
3つのサービスをうまく組み合わせ利用すれば、とても使い勝手の良い制度です。たとえば、独居の高齢者の方々をひとりにしておくのは心配というご家族も多いでしょう。一例ですが週に2~3回デイサービスを利用し、それ以外の日には訪問介護で安否確認や家事援助などを頼むという利用方法があります。
共働き世帯が増え、日中の家族介護が難しいことがしばしばあります。平日の日中はデイサービスを利用し、夜は“通い”の延長でそのまま泊まり(ショートステイ)、週末のみ自宅で過ごす方も実際にいます。このほか、入院していた方々が退院後、すぐに自宅に戻るのに不安がある時や、介護老人保健施設や特別養護老人ホームへの入所待機期間に一時的な入所施設としてショートステイを利用することもできます。このようにレスパイト(介護者の休息)以外にも、多様なニーズに対応できます。
当施設はデイサービスの定員が1日15人、ショートステイは9人です。多くの施設は同程度です。当施設は連携施設として古河総合病院が隣接し、利用者さんの体調が悪くなった場合にも迅速な対応が可能で、それが安心感につながっています。
利用を検討したい方は施設(ポプリ)のケアマネジャーに、入院中の患者さんは病院のMSW(医療ソーシャルワーカー)に、すでに他の介護保険サービスを利用中の方は担当のケアマネジャーにご相談ください。