徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)03月06日 月曜日 徳洲新聞 NO.1379 2面

病気のはなし114
急な悪化には要注意
飛蚊症

よく晴れた日などに空を見上げると、目の前にチラチラと糸やミジンコのようなものが見えることがある。これを飛蚊症と言い、生理的な飛蚊症は、コラーゲン線維の重なりでできている目の硝子体の配列に乱れが生じ、それがしわになってゴミのように見えるもので、本来は誰にでも起こり得る。若くても気付く人はいるが、加齢とともに硝子体が縮むと、よりはっきり濁りや黒いすす状になって見えるため、気付きやすくなる。

生理的な飛蚊症は放置していても失明の危険性はない。しかし網膜が眼底から破れる網膜裂孔や、目の中で炎症が起きるぶどう膜炎など、原疾患によって飛蚊症が起こることもあるため、「急に飛蚊症の症状がきつくなった場合は、眼科を受診し眼底検査を受けてください」と札幌東徳洲会病院の前川浩・眼科部長。飛蚊症の治療法には硝子体を切除する外科療法がある。しかし前川部長は、生理的飛蚊症については手術を推奨していない。「硝子体手術の技術は向上してきていますが、網膜を傷つけるリスクもゼロではなく、白内障にもなりやすいため、リスクに見合いません」(前川部長)。ただ、仕事に支障がある場合などは手術することもあり、治療するかどうかはケースバイケース。主治医と相談して判断してほしいと呼びかけている。

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