徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)02月06日 月曜日 徳洲新聞 NO.1375 1面
湘南鎌倉病院の田邉ロボット手術・臓器移植センター長
第56回日本臨床腎移植学会は現地開催が基本ですので、学会場への積極的なご参加を歓迎します。また、新型コロナ感染症の現状に鑑み、Zoomを用いたウェブ参加も可能にしています。さらに、メタバース(仮想空間)会場内で参加者同士の討議もできるなど、新たな試みにも挑戦しています。
今学会は医療法人徳洲会の東上震一理事長、湘南鎌倉総合病院の小林修三院長の全面的なご協力の下、開催にこぎつけることができました。この場をお借りして、あらためて謝意を表します。
「2023腎移植の課題と近未来の腎移植は?」が今学会のメインテーマです。腎移植後の10年生着率が90%を超えつつある今だからこそ、どこでも腎移植を安全に、最高の治療成績で行えるようにすることが重要となってきています。
メタバース会場のイメージ。シンポジウムごとに会場が分かれ、入室すると講義動画や資料を閲覧できる
11日の東上理事長による特別講演「タンザニア国における腎移植支援事業(仮題)」では、まさに世界中で安心して移植ができる状況になるよう、徳洲会を中心に行っている医療支援プロジェクトについて伝えていただきます。また、AIM(血中タンパク質の一種)の活用により、腎不全そのものを治せる可能性など、腎不全に対する治療法が今後大きく変貌を遂げようとしていることを、会長講演や特別講演などで取り上げます。
さらに、腎移植はチーム医療であるという前提にのっとり、医師部門、看護部門、コーディネーター部門などに分けず、多職種が横断的にディスカッションできるシンポジウムを複数設けている点も目玉です。
徳洲会病院からの発表も多数予定しています。徳洲会は救急のイメージが強いかもしれませんが、移植医療など専門性の高い医療分野の診療を強化しており、これからどんどん発展していくものと思います。今学会を通じ、移植医療の最近の成績、課題について知り、さらに近未来の腎移植の姿も見えてくると考えます。