
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

Tokushukai medical group newspaper digest
2023年(令和5年)01月30日 月曜日 徳洲新聞 NO.1374 3面
自治体、医療・福祉関係者らが参集
和泉市立総合医療センター(大阪府)は「第3回和泉の地域医療を考えるシンポジウム」を開催した。今回のテーマは、「治療と仕事の両立支援推進のための今後の取り組み~『働きがいをもって活躍できる地域の実現』を考える」。同院関係者、辻宏康・和泉市長、大阪母子医療センター、和泉保健所、和泉商工会議所のメンバーがパネリストとして登壇し、各々の立場から治療と仕事の両立に向けた課題や具体的に必要なサポート内容など話し合った。
今回はオンラインと直接来場のハイブリッド開催となり、自治体や医療・福祉関係者ら70人以上が直接参加、50人以上がオンライン参加した。同院リウマチ・膠原病内科の樋野尚一部長は冒頭、治療と仕事の両立を望む患者さんからの声が多いことを訴え、「この会が、各機関がどのように(有病者を)支援していくか考えるきっかけとなれば」と思いを寄せた。
同院の松下晴彦院長は「今知ってほしい。治療と仕事の両立支援」と題した基調講演のなかで有病労働者が増加傾向にあることを挙げ、仕事をしながら治療できる仕組みを社会全体で整える必要性を強調した。また、企業側に提出する診断書を書く際の注意点として、企業が求める診断書は医学的要素よりむしろ、「どのような仕事ができて何ができないか、各人の仕事内容に準じた具体的な本人の状態と治療内容」がわかるものと指摘。
作成には、企業側からふだんの仕事内容など情報提供が不可欠とし、企業と医療機関の連携強化を求めた。
パネルディスカッションでは辻市長が、同市では積極的に高齢者や障がい者の方など就職困難者を対象に就業を支援しているものの、同支援事業の認知度の低さや、そもそものマッチングの難しさから課題も多いことを明かした。
ほかにもパネリストからは、確立した治療法がなく長期にわたってサポートが必要な難病患者さんが仕事を続けるための支援や、幼い頃から治療を続けてきた小児患者さんが大人となり、経済的、精神的に自立していくための支援の必要性を訴える声が上がった。
商工会議所からは、営利企業単体での支援には限界があるとしながらも、「企業が生み出す価値のベースはヒト」という観点から、従業員一人ひとりに合った働き方を提供することは企業の利益と相反しないという考え方を披露、テレワークを含む勤務場所の変更や出勤時間を固定しない働き方の導入など、治療と仕事を両立し得た中小企業での実例を紹介した。
松下院長は、がんや難病などに罹患した場合、治療しながら働き続けることができるか確認する前に離職してしまうケースも多いことを挙げ、「まずは正しい情報を多くの人に知ってもらうことが大切」と啓発活動の重要性を指摘した。